讃美歌298番 「やすかれ、わがこころよ」

■フィンランドの作曲家シベリウスの曲によって歌われ始めてから、急に普及した歌である。原作者Katharina Amalia Dorothea von Schlegel1697-1768)の“Stillemeine Willedein Jesus hilft siegen わが心よ、しばし待て、お前のキリストが勝利をもたらしてくれる”の歌詞が1855年にドイツ語から英訳されたものである。

カタリーナは、ドイツのケーテン公爵家に関係していたといわれており、生涯で約20編の賛美歌を作詞したと言われる。

■ケーテンは、ライプツイヒの北、急行列車で約1時間ほどのところにある静かで落ち着いた町で、バッハがライプツイヒに移る前の5年間(1717-1723)を過ごし、ブランデンブルグ協奏曲,管弦楽組曲、無伴奏チェロ組曲など主に宗教音楽とは関係のない作品を書いたが、この町でバッハは4人の子供のマリア・バルバラをなくしたが、その後、2度目の妻アンナ・マグダレーナ・ヴィルケと言う16歳年下の若いソプラノ歌手と結婚した。この女性は、バッハの才能を心から尊敬し,温かい家庭を作り上げていった。バッハは、新妻に一冊の楽譜帳をプレゼントした。<アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳>である。

■曲はフィンランドの国民英雄的作曲家ヤン・シベリウス(Jean Sibelius1865-1957)の交響詩「フィンランデイア」の主要主題から彼自身が編曲したものである。フィンランデイアは1899年に作曲されたが、米国のプレスビテリアン派の公定讃美歌集“The Hymnal1933”のために、1932年に編曲された。

■「フィンランデイア」は東洋人の血をひいて欧州でも特異な民族的特徴を示し長年ロシアとスエーデンの圧迫に耐えて来たフィンランド民族に対する熱狂的な国民頌歌である。

かってロシアとの間に紛争が生じた時には、敵愾心をそそるとの理由で演奏が禁止されたほどであった。賛美歌用に編曲された主要主題の旋律は極めて抒情的な、しかも憂いを含んだ美しさを持ち、シベリウスの書いた旋律の中でも最も広く知られているものである。「音楽友社 名曲解説辞典より」

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