讃美歌 270番 「信仰こそ旅路を」

■「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです。」
この讃美歌の引用聖書箇所、ヘブライ人への手紙11章1節である。そして、この章では、信仰とは一人一人が、ある一つの長い旅(Journey)に参与すること、アブラハムをはじめ「世々の聖徒達」がまだ見ぬものを人生の土台として、行く先を明確に見定めることなく旅立ちの一歩を踏み出した信仰を想起させている。CyberHymnalの聖書の引用箇所は,エフェソの信徒への手紙6章14節以下では「立って、真理を帯として腰に締め、正義を胸当てとして着け、平和の福音を告げる準備を履物としなさい。なお、その上に、信仰を盾として取りなさい。それによって、悪い者の放つ火の矢をことごとく消すことが出来るのです。また、救いを兜としてかぶり、霊の剣、すなわち神の言葉を取りなさい。」である。日本語の歌詞はこの二つの聖書箇所を表していると思う。

作詞者トマス・リンチ1818-71)英国の独立派の牧師でその個性と新鮮さと霊味によって常に少数ながら熱心な会衆をひきつけた。彼の讃美歌集は会衆派内で激しい論争を巻き起こしたが,結局,彼の立場の正しいことは時が証明した。この歌は1856年に発表されたもので、彼自身「キリスト教の詩はまことに生命の水の河である」と言っているように,流麗な再臨又は待降の歌である。

英米では、THE STAFF OF FAITHの他に CANAAN およびTOGETHER LET US SWEETLY LIVE という曲名もある。曲は “Come, Happy Children” として1820年ごろアメリカに紹介された(ただし、この旋律にはかなりの違いがあります)。ワッソンの讃美歌曲目索(Wasson, Hymntune Index and Related Hymn Materialsでは原曲を特定できないまま「イングランド曲」と「スイス曲」との2つの説を併記しているが、原曲は18世紀に作られたと言われるスイスの "老いも若きも山人たちよ、ご無事で! Glück auf, ihr Bergleut (jung und alt)" で、現在でも歌われていて、CDも出てる。

背景のmidiは新たに作成しました。