讃美歌257番 「十字架のうえに」
■作詞はドイツ語で“
O Lamm Gottes、 unschuldig 汚れなき、神の子羊よ”となっており作詞者はNikolaus Decius(1490-1541 ニコラス・デキウス)、作曲者はJohann Spangenberg(1545年編曲)となっている。■この讃美歌の原曲は、古いグレゴリウス聖歌
Agnus dei(アニュス・デイ)“世の罪を負い給う神の子羊よ、われらをあわれみたまえ”である。これをニコラス・デキウスが独訳し、その独訳歌詞に合わせて編曲したもので、むしろドイツ語の創作と見るほうが妥当である。1542年に讃美歌集で発表されて以来,ドイツの代表的コラールの一つとなりドイツのあらゆる歌集に採録され、広く全独で愛唱されるようになった。その後、1545年Johann Spangenbergが旋律の一部を変更した曲が現れ、現在ドイツではその双方の曲が併せ用いられている。“讃美歌”では、Spangenbergの曲が採用されているが、“讃美歌21”では、デキウスの曲を用いている。■ニコラス・デキウスはドイツのバイエルンの生まれと言い、修道士となったが、ルッターの宗教改革に共鳴し修道士をやめて、ブラウンシュヴァイクの学校長になった。その後、新教派の説教者となり、後聖ニコラス教会を牧した。
■ニコラス・デキウス独訳の“汚れなき神の子羊よ”の歌詞は、そのまま、バッハの“マタイ受難曲”ので出しの合唱「おいで 娘たち 共に嘆こう」の後のコラール「おお、神の子羊、罪もなく」に用いられている。原作は次のようになっている。
■アニュス・デイは、ミサや聖餐式の通常式文に含まれる賛歌の一つ。「神の子羊」の意で、洗礼者ヨハネがイエスを見て言った「見よ、世の罪を取り除く神の子羊だ」(ヨハネによる福音書
1章29節)から取られている。日本のカトリック教会では「平和の賛歌」と呼ぶ。元来はシリア起源で、7世紀末に教皇セルギウス一世が聖体のパンを裂く時に歌うキリストへの賛歌としてミサに取り入れた。(岩波 キリスト教辞典 )
おお、神の子羊、罪もなく
十字架につけられたあなたよ、
どんなときでもあなたは耐え忍ばれた、
どんな辱めをこうむろうとも。
あなたは全ての罪を担われた、
さもなくばわれらの望みは果てよう。
われらを憐れみたまえ、おお、イエスよ。
背景のmidiは新たに作成しました。
ホームページに戻る