讃美歌
254番 「父のみかみよ、みまえにふして、」■
19世紀半ばに英国で国教会により編纂された「古今讃美歌 Hymns Ancient and Modern、1861年初版」の編集委員の一人で連祷詩の優れた作者でもあったトマス・B・ボロック(Thomas Benson Pollock、1836-96)の「懺悔の連祷」の中の一篇である。曲名「GOWER’S LITANY」のLITANYが「連祷」のことである。GOWER(ガウア)は作曲者の名前である。■「連祷」とは、先導者が一連の嘆願を一つずつ唱えるごとに、全員が同一の反復句で応える形式の祈願で、この伝統はユダヤ教にまで遡る。254番は、各節が2行になっているが,もともと、上段を先導者(司祭)が、下段を全員(信者)が歌う形式であったのだろうか?聖書の引用箇所はヨハネの手紙第一、1章9節「自分の罪を公に言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、罪を赦し、あらゆる不義からわたしたちを清めてくださいます。」であり、これにふさわしい歌詞となっている。
■作詞者ボロックはダブリンのトリニテイ―・カレッジ卒業後、国教会の聖職者となり、最後の30年間はバーミンガムの聖オルバン伝道館に勤めた。
■作曲者ジョン・H・ガウア(John Henry Gower、1855-1922)は14歳からオルガニストとして英国各地で演奏会を開き有名となったが、後に米国に渡り デンヴァーの教会でオルガニスト兼聖歌隊長を努めた。この曲は、彼がボロックのこの歌詞のために1891年に作曲したものである。
背景のmidiは新たに作成しました。
ホームページに戻る