讃美歌239番 「さまよう人々、たちかえりて、」

■明治時代からわが国でよくうたわれる伝道の歌である。原作者William Collyer1782-1854)は、ロンドン付近でうまれ、20歳の時、10人の会員しかいない会衆派の小教会で伝道を始め、50年以上同じ教会で牧した。彼は雄弁な福音的説教者として知られ、説教の後で歌う讃美歌集を編集したが、この歌はその中に含まれる彼の57篇の作歌の一つである。今では英語圏の讃美歌ではあまり歌われていない。(このホームページでよく利用するサイトにはこの歌詞はなかった。)

■この曲の原旋律は、古いアメリカの民謡であった。(詳細は分からない)それをロウエル・メイスン(下記参照)がThe Juvenile Lyre(若者の讃歌)、1830年に取り入れたのを、その後更に賛美歌用に編曲(編曲者不祥)したのが“Fountain”である。(キャンプ集会用に作られたといわれる)今日米国ではメソデイスト派の讃美歌集が“Cleansing Fountain 清めの泉”という曲名で用いている。この曲はWilliam Cowper1731-1800、英国人)が作詞した“There is a fountain filled with blood”の曲として讃美歌のサイトに載っているが,bloodは勿論キリストの十字架による贖いの血である。

讃美歌239番にこの旋律が当てられたのは、多分、4節で“十字架の上なるイエスをみよや。血しおの滴るみ手をひろげ”と歌われているからであろうか?

■作曲者ロウエル・メイスン(Lowell Mason-1792-1872)は,全く独学で音楽を勉強し,音楽教育に力を注ぎ後にボストン音楽学校を設立した。アメリカで最初の「音楽博士」である。メイスンは,英国におけるジョン・B・ダイクス(1823-1876),或はそれ以上に,米国の讃美歌史上に重要な人物である。彼の曲のスタイルは,どこまでも大衆的,民謡的且つ米国的であり欧州の曲をたくさん編曲しているが,ときには原曲の姿が判らないほどに手を加え,これを米国的な,メイスン的な姿に変えてしまった。それが米国人の好みにぴったり合致し全米に広がる要因ともなった。

 

背景のmidiは新たに作成しました。

 

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