讃美歌194番 第2編 「おおみ神をほめまつれ」

 

原作者Frances Jane(Crosby)Van Alstyne(1820-1915)は、アメリカの多作な盲人女流歌人である。盲人オルガニストと結婚してVan Alstyneの姓となったが、一般にファニー・クロスビーと呼ばれている。 日本基督教団讃美歌では、489番”きよき岸べに”、493番”つみの淵におちいりて”、495番”イエスよ、この身を ゆかせたまえ”、517番“「われに来よ」と主は今”、524番”イエス君、イエス君、みすくいに”、529番”ああうれしわが身も”等数多く採用されており彼女の歌は日本でも広く普及しているが、讃美歌第2編ではこの歌だけである。

ファニー・クロスビ‐は、生まれた直後の目の治療が失敗し失明する悲運に見まわれたが、祖母や母親の愛情ある教育、育成により彼女の持って生まれた才能が生かされ盲人学校での勉学、卒業後の教師としての務めの傍ら詩作に励んだ。讃美歌の作詞を始めたのは44歳の時で偉大な讃美歌作曲家ウイリアム・ブラッドベリーとの出会いからである。その後、彼女の作品に作曲したWilliam Howard Doane,George Coles Stebbinsや19世紀後半の大伝道者ムーデイと伝道歌手サンキーらとの出会い、協力の過程で生涯六千以上と言われる讃美歌を作詞した。クロスビ‐は、1915年に95歳で天に召されたが、身長145センチと小柄であったが、彼女の心にはいつも喜びが湧いていたので、その顔は輝いており、そばに行くと、その喜びが「感染」したと言われた。(大塚野百合「讃美歌・聖歌ものがたり」)

作曲者W.Howard Doane(1832-1915)は、音楽の才に恵まれ数多くの作品(作曲)を残し,2千以上の讃美歌を作曲しているが本業はオハイオ州シンシナッテイを中心として活躍した実業家である。重病に悩んだとき、クロスビーの歌に励まされた経験を持っており、彼女の協力者となった(上述:「讃美歌・聖歌ものがたり」)。

シンシナッテイの教会で日曜学校の校長や聖歌隊の指揮者を務めるなど伝道活動(福音主義運動)にも音楽を通じて大きな貢献をした。遺言によって様々な事業に寄付されたが、シカゴにある彼の名を冠した音楽堂もその一つであり。又,彼の宗教運動に対する偉大な功労に対して,フランス政府から叙勲を受けている。

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