讃美歌139 「うつりゆく世にも」

荘重深遠な十字架の歌である。ガラテヤの信徒への手紙614節;「しかし、このわたしには、わたしたちの主イエス・キリストの十字架のほかに、誇るものが決してあってはなりません。」に基づき1825年に「キリストの十字架」と題して発表された。

原作者John Bowring17921872)は,イギリスの著名な語学者、評論家、政治家であった。1835年には下院議員に選ばれ、その後香港総督に任ぜられ、ペリーの日米条約締結の際、日英条約を結ぶため来日の予定であったが、その機会を失した。作者は、篤信な福音的信仰の持ち主で、平和と希望とのうちに永眠したという。そして彼の墓碑にはこの歌の初行が刻まれているとのことである。

作曲者Ithamar Conkey18151867)は,ニューヨークの幾つかの教会で聖歌隊を指導し又、独唱者として、或は4重唱のリーダーとして活躍した。オラトリオのバス独唱者としては当時ニューヨーク随一と称された。ある年(1851年)のレントの期間に、John Bowringのこの歌詞が頭に浮かんで来たので一気にそれに作曲し、次の日曜日の礼拝で聖歌隊が歌った。その聖歌隊の中に、指導的役割をしていた若いソプラノ歌手Beriah S.Rathbun夫人がおり、この夫人に敬意を表して、曲名を“Rathbun”とした。爾来、受難集の歌として米国各派の讃美歌集に収録され、広く愛唱されるようになった。

 

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