復活祭での習慣
幾つかの復活祭での習慣についてまとめてみました。
イースターエッグ(Easter Eggs)
復活祭でゆで卵が色とりどりに包まれて配られる習慣が最も一般的です。この習慣はどのようにして生まれたのでしょうか?色々な説があります。しかし,その本質は,いずれも新しい生命の誕生を祝う事にあると思われます。
昔から,世界の各地で卵は,創造,豊饒,新しい命のシンボルと見なされてきました。古代エジプトやペルシャでは,年の初め(春分の頃)に飾り付けられた卵を交換する慣わしがあったそうで中近東のキリスト教徒が復活祭のシンボルとしてこの習慣を取り入れました。
イースターの語源となった北方ゲルマン系地域でも卵は早春の新たな生命のいきぶきのしるしとして薬草で色とりどりに染められた卵が春の祭で喜ばれたそうです。カラフルな卵は, 北極のオーロラのようにキラキラと何色にも輝く春の陽光を似せたものとされています。
レント(受難節)の期間中,卵は食卓から遠ざけられておりましたので,レントが明けた復活祭の日にそうした意味を持った卵が食卓を飾り或いは人々に配られるようになりました。
赤い色の卵は,キリストの贖いの血をあらわす或いはイースターの喜びを表すとも言われております。
ウサギ(Easter Rabbit或いはBunny)
イースターの頃,ウサギの絵をよく目にします。
春の祭の頃,ウサギは沢山の子どもを産みます。即ち豊饒のシンボルとして世界各地で親しまれてきました。ウサギのいつのまにか現れては消えるすばやい行動が,復活後にキリストが弟子達のところに現れた事との連想をいだかせ復活祭とウサギの関係ができたのではないかとの説もあります。16世紀の頃,ドイツの多くの地域で,ウサギが最後の晩餐にあたる日(復活祭の前の木曜日)に赤い卵を、復活祭の前夜に色とりどりの卵を置くと信じられたとの記録があります。
白ゆり(Easter Lilies)
ウサギと同じようにイースターの日に白ゆりの花の絵が良く見かけられます。
ゆりは春に咲きますが,キリスト教初期の芸術では,ゆりはその型,白さから純潔(Purity)のシンボルとされていました。(ルカ12章27節 Consider how the lilies grow.)
米国では,今から100年頃前にバーミューダから白ゆりが持ちこまれ,イースターの頃咲き乱れる事からEaster Liliesと呼ばれ,イースター祭の一つのシンボルとなりました。