カーニバル(Carnival)
受難節に入ると日常生活を厳しく律する生活を守り食事も肉や卵,乳製品等を遠ざけた質素なものとなりますので,その前に美味しいものを食べて楽しく過ごす習慣ができました。
- カーニバル(Carnival)の語源はラテン語の「肉よさらば
caro vale」
或いは「肉食禁止 carnem
levare」から来たといわれております。
中南米やスペイン,ポルトガル語圏を旅行された方はカルネが
肉を意味する事を良くご存知です。
Valeやlevareは”取り除く,減らす,離れる"という意味があるそうです。
- ヨーロッパでこの習慣がローマカトリック教会の祭として一般に定着したのは中世と言われておりますが,その始まりは現在プロテスタントの多いドイツで、1234年ケルンでのKarnevalの祭が記録にあります。ワーグナーが作曲した歌劇「パーシファル Parzival」は、13世紀初期に書かれた騎士物語を題材にしたものですが,このとき既にカーニバルの習慣があったことが記されております。
- カーニバルは数日間続きますが,当然のことながら最後の日,
即ち最高に盛り上がるのが灰の水曜日の前日の火曜日です。
この日をフランス語でMardi(火曜日)Gras(脂肪分の多い,肉の)
ドイツ語でFetter(脂肪の多い) Dienstagと言いいずれも満腹感を想像させますが、
英語ではShrove Tuesdayと言い
Shroveは古英語で懺悔を聞くという意味であったそうです。
今の辞書を引くと
「灰の水曜日の前日で人々はパンケーキを食べる習慣があった」
となっております。パンケーキは,小麦粉、サラダ油、卵を使いますが受難節に入るとこれらの食材は食べられなくなるからでした。
古英語の時代(450年-1150年)は中世の始まり迄ですので
カーニバルの習慣が取り入れられる前までは少なくとも英国では
人々は敬虔な火曜日を過ごしたのではないでしょうか?
- 賑やかなカーニバルで名が知られているのはブラジルのリオ,
米国ニューオルリ-ンズ,イタリヤのベニス,ドイツのケルンなどですが,
今ではキリスト教の行事との関係はまったく希薄になっていると思います。
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