10月26日 「輝き続ける第一のもの」 マルコによる福音書
12章28-34節「最も重要な掟」
28
彼らの議論を聞いていた一人の律法学者が進み出、イエスが立派にお答えになったのを見て、尋ねた。「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」29
イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしの神である主は、唯一の主である。30
心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』31
第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」32
律法学者はイエスに言った。「先生、おっしゃるとおりです。『神は唯一である。ほかに神はない』とおっしゃったのは、本当です。33
そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を自分のように愛する』ということは、どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています。」34
イエスは律法学者が適切な答えをしたのを見て、「あなたは、神の国から遠くない」と言われた。もはや、あえて質問する者はなかった。
イエスは、第一の戒めとして『イスラエルよ、聞け、私達の神である主は、唯一の主である。心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい』そして第二の戒めは、『隣人を自分のように愛しなさい。』と明確に教えられた。
当時、中心を見失った六〇〇余りの掟で不自由な歩みを強いられていた人々に対し、イエスは、「イスラエルよ、聞け」と、まず神のみ言葉に耳を傾けよと、聞くことの大きな意味を示された。聞くことは即ち、聞き従う、服従することであり、そうした歩みをまず見出しなさいとの教えである。同時に、「イスラエルよ」と我々一人一人に呼びかけられている。弱い罪人である我々を一人一人招かれ、神が愛する者であることを力強く示されているのである。神がまず愛し、選び、招いてくださるが故に、人間は神に聞き、神に従い、神を愛さずにはおられない、この姿が第一の戒めの意味するところであり、戒めの輝きなのである。
第二の戒めの事例は、ルカによる福音書にある「良きサマリヤ人の教え」であるが、真のサマリヤ人になれるのは唯一主イエス・キリストであり、第一の戒めに聞き従う時、限界のある私たちを主が共に重荷を負ってくださることを知り、愛を示す主体が自分ではなく主イエス・キリストであることが確信でき、証しの歩み、愛の歩みが自然と生み出されるのである。今朝与えられた、この第一の戒めにある御言葉をしっかりと噛みしめて歩んで行きたい。
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