7月1日 「キリストの希望と品格」 ペトロの手紙T 1章13−25節、
マルコによる福音書14章27−31節
東方敬信牧師
13
だから、いつでも心を引き締め、身を慎んで、イエス・キリストが現れるときに与えられる恵みを、ひたすら待ち望みなさい。
14 無知であったころの欲望に引きずられることなく、従順な子となり、
15 召し出されてくださった聖なる方に倣って、あなたがた自身も生活のすべての面で聖なる者となりなさい。
16 「あなたがたは聖なる者となれ。わたしは聖なる者だからである」と書いてあるからです。
17 また、あなたがたは、人それぞれの行いに応じて公平に裁かれる方を、「父」と呼びかけているのですから、この地上に仮住まいする間、その方を畏れて生活すべきです。
18 知ってのとおり、あなたがたが先祖伝来のむなしい生活から贖われたのは、金や銀のような朽ち果てるものにはよらず、
19 きずや汚れのない子羊のようなキリストの尊い血によるのです。
20 キリストは、天地創造の前からあらかじめ知られていましたが、この終わりの時代に、あなたがたのために現れてくださいました。
21 あなたがたは、キリストを死者の中から復活させて栄光をお与えになった神を、キリストによって信じています。従って、あなたがたの信仰と希望とは神にかかっているのです。
22 あなたがたは、真理を受け入れて、魂を清め、偽りのない兄弟愛を抱くようになったのですから、清い心で深く愛し合いなさい。
23 あなたがたは、朽ちる種からではなく、朽ちない種から、すなわち、神の変わることのない生きた言葉によって新たに生まれたのです。
24 こう言われているからです。
「人は皆、草のようで、
その華やかさはすべて、草の花のようだ。
草は枯れ、
花は散る。
25 しかし、主の言葉は永遠に変わることがない。」
これこそ、あなたがたに福音として告げ知らされた言葉なのです。
マルコによる福音書14章
27 イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたは皆わたしにつまずく。『わたしは羊飼いを打つ。すると、羊は散ってしまう』と書いてあるからだ。
28 しかし、わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く。」
29 するとペトロが、「たとえ、みんながつまずいても、わたしはつまずきません」と言った。
30 イエスは言われた。「はっきり言っておくが、あなたは、今日、今夜、鶏が二度鳴く前に三度わたしのことを知らないと言うだろう。」
31 ペトロは力を込めて言い張った。「たとえ、ご一緒に死ななければならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません。」皆の者も同じように言った。
私達は常に他人を気にして生きている。芥川竜之介の「鼻」は「傍観者の利己心」がテーマである作品だが、これは私達の日常の心理をよくあらわしている。主イエスは「人を裁くな。自分が裁かれないためである。まず自分の目の丸太を取り除いてから、兄弟のおがくずを取り除きなさい」と語られた。森永製菓の創始者の森永太一郎氏は、キャラメルを売る時に「我は罪人の頭なり」という言葉をいつも掲げていた。「私達は、聖なる神の前に出たら、一人として自分の汚れを感じないものはいない。誰でも神の前で、出直さなければならない」という強いメッセージを伝えていた。北極星がいつも変らぬ不動の位置から、旅人を導くように、私達は神の愛のもとにしっかり立って主イエスの永遠なる真実な生き方に倣っていきたい。ペテロは「あなたは神のことを思わず、人のことを思っている」と指摘され、比較から逃れられない人間であったが、主イエスから「私が復活した後あなた方より先にガリラヤに行く」‥私はあなたを許す、ガリラヤで会おう‥と告げられる。私達は主イエスなしには生きられない。信仰・希望は神にかかっている。何事も心をこめて長く続けることにより、品格が生まれてくる。くちないものを求めて、主イエスを遣わしてくださった神様が全ての救い主であると信じ、魂を清め、兄弟愛を抱くようになるキリスト者でありたい。