4月29日 「乏しい中からすべてを」 詩編3312~22節、

マルコによる福音書1238~44節  

秋葉恭子牧師

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詩編33

12  いかに幸いなことか

  主を神とする国

  主が嗣業として選べれた民は。

13  主は天から見渡し

  人の子らをひとりひとり御覧になり

14 御座を置かれた所から

   地に住むすべての人に目を留められる。

15 人の心をすべて造られた主は

  彼らの業をことごとく見分けられる。

16 王の勝利は兵の数によらず

  勇士を救うのも力の強さではない。

17 馬は勝利をもたらすものとはならず

  兵士の数によって救われるのでもない。

18 見よ、主は御目を注がれる

  主を畏れる人、主の慈しみを待ち望む人に。

19 彼らの魂を死から救い

  飢えから救い、命を得させてくださる。

20 われらの魂は主を待つ。

  主は我らの助け、我らの盾。

21 我らの心は喜び

  聖なる御名に依り頼む。

22 主よ、あなたの慈しみが

   我らの上にあるように

   主を待ち望む我らの上に。

 

マルコによる福音書12

38 イエスは教えの中でこう言われた。「律法学者に気をつけなさい。彼らは、長い衣をまとって歩き回ることや、広場で挨拶されること、

39 会堂では上席、宴会では上座に座ることを望み、

40 また、やもめの家を食い物にし、見せかけの長い祈りをする。このような者たちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる。」

41 イエスは賽銭箱の向かいに座って、群衆がそれに金を入れる様子を見ておられた。大勢の金持ちがたくさん入れていた。

42 ところが、一人の貧しいやもめが来て、レプトン銅貨二枚、すなわち一クァドランスを入れた。

43 イエスは、弟子たちを呼び寄せて言われた。「はっきり言っておく。この貧しいやもめは、賽銭箱に入れている人の中で、だれよりもたくさん入れた。

44 皆は有り余る中から入れたが、この人は、乏しい中から自分の持っている物をすべて、生活費を全部入れたからである。」

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今日の聖書の箇所、律法学者の振舞いと金持ちとやもめの献金のたとえを用いた主イエスの教えは、神を愛し隣人を愛することは日常生活において、そして教会生活において、どのようなことであるかを私たちに反省させるものである。

主イエス・キリストによる救いを信じる私たちキリスト者は、この世にあって主イエスを指し示し、神に栄光を帰する者であるが、日常の生活ではとかく自分を大きく見せようとし、自己中心的になっている。心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして神を愛していない姿である。又、身体的、能力的に乏しい人たちをいつの間にか差別していたり、他の人よりも自分を高くしようとしている。隣人を自分のように愛しなさい、との主イエスの教えを忘れた姿である。

レプトン銅貨二枚を賽銭箱に入れたやもめは、乏しい中から自分の持っている物をすべて、生活費を全部入れた、と主イエスに言わしめているが、主イエスが心に留められたのは銅貨ではなくやもめの信仰であった。貧しいやもめは、主を信頼し、主を畏れ、ただ主の恵みによって満たされることを待ち望んで、自分の持てるものすべてを主に捧げたのである。「見よ、主は御目を注がれる 主を畏れる人、主の慈しみを待ち望む人に。」(詩編33-18

すべてを捧げることは、言い換えれば、捧げうるものをすべて捧げることであり、余る中からではなく、まず主のために聖別して捧げることである。私たちは健康に乏しく、時間に乏しく、知恵に乏しく、様々な乏しさの中にある。その中で私たちは聖霊の豊かな降り注ぎを祈りつつ、お互いにそれぞれの乏しさを補い合い励ましあって、キリストの体である教会に仕えていきたい

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