7月23日 「風や湖さえも従う方」 詩編65編2-9節、
マルコによる福音書4章35-41節
秋葉恭子牧師
詩編65編
2
沈黙してあなたに向かい、賛美をささげます。
シオンにいます神よ。
あなたに満願の献げ物をささげます。
3
祈りを聞いてくださる神よ
すべて肉になるものはあなたのもとに来ます。
4
罪の数々がわたしを圧倒します。
背いたわたしたちを
あなたは贖ってくださいます。
5
いかに幸いなことでしょう
あなたに選ばれ、近づけられ
あなたの庭に宿る人は。
恵みの溢れるあなたの家、聖なる神殿によって
わたしたちが満ち足りますように。
6 わたしたちの救いの神よ
あなたの恐るべき御業が
わたしたちへのふさわしい答えでありますように。
遠い海、地の果てに至るまで
すべてのものがあなたに依り頼みます。
7
御力を持って山々を固く据え
雄雄しさを身に帯びておられる方。
8
大海のどよめき、波のどよめき
諸国の民の騒ぎを鎮める方。
9
お与えになる多くのしるしを見て
地の果てに住む民は畏れ敬い
朝と夕べの出で立つところには
喜びの歌が響きます。
マルコによる福音書4章
35 その日の夕方になって、イエスは、「向こう岸に渡ろう」と弟子たちに言われた。
36 そこで、弟子たちは群衆を後に残し、イエスを舟に乗せたまま漕ぎ出した。他の舟も一緒であった。
37 激しい突風が起こり、舟は波をかぶって、水浸しになるほどであった。
38 しかし、イエスは艫の方で枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして、「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と言った。
39 イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。
40 イエスは言われた。「何故怖がるのか。まだ信じないのか。」
41 弟子たちは非常に恐れて、「いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか」と互いに言った。
風と湖に「黙れ。静まれ」と主イエスがお叱りになると嵐はやんだ。嵐を恐れていた弟子たちは、「いったいこの方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか」とイエスに怖れを抱いた。枕してお眠りになっていた主イエスを起こして助けてくださいとイエスに取りすがった弟子たちは、主イエスのなされた様々な奇跡の現場に居合わせながら、まだ本当に主イエスを神のひとり子、我らの救い主として信じていなかったと、マルコは弟子たちの不信仰を批判している。
キリスト者の信仰は、風や湖さえも従う方である主イエスの本当のお力を思い知ることから始まる。父なる神は私たちを闇の力から救い出して主イエスの支配下に置かれた。そして、天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、すべての権威は主イエスのご支配に置かれた。それは、私たちを罪と死から贖われた主イエスの十字架という、私たちには計り知れない神の摂理、限りない神の愛によって私たちに示されている。主イエスの力を知り、主イエスに対する怖れを抱くことは、私たちに主イエスへの信頼を教え、私たちを勇気へと、希望へと、救いへと導くものである。
私たちそれぞれの人生にも突然の嵐や絶望の淵に追い込まれることはしばしば起こる。そのような時、私たちは、嵐の中、枕をして完全な平和の中で眠っておられる主イエスのお姿を心に留め、主イエスにすべてを委ねる信仰を持って、心を静めて祈りにより主の御心を問い、勇気を与えられて問題に立ち向かう歩みを進めたい。