5月7日 「自立する奇跡」 詩編1031-5節、 マルコによる福音書21-12

                   東方敬信牧師

 

詩編103篇 

1   わたしの魂よ、主をたたえよ。

  わたしの内にあるものはこぞって

   聖なる御名をたたえよ。

2   わたしの魂よ、主をたたえよ。

 主の御計らいを何ひとつ忘れてはならない。

3   主はお前の罪をことごとく赦し

 病をすべて癒し

4   命を墓から贖い出してくださる。

 慈しみと憐れみの冠を授け

5         長らえる限り良いのもに満ちたらせ

鷲のような若さを新たにしてくださる。

 

マルコによる福音書2

1   数日後、イエスが再びカファルナウムに来られると、家におられることが知れ渡り、

2   大勢の人が集まったので、戸口の辺りまですきまもないほどになった。イエスが御言葉を語っておられると、

3   四人の男が中風の人を運んで来た。

4   しかし、群集に阻まれて、イエスのもとに連れて行くことができなかったので、イエスがおられる辺りの屋根をはがして穴をあけ、病人の寝ている床をつり降ろした。

5   イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、あなたの罪は赦される」と言われた。

6 ところが、そこに律法学者が数人座っていて、心の中であれこれと考えた。

7   「この人は、なぜこういうことを口にするのか。神を冒涜している。神おひとりのほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか。」

8   イエスは、彼らの心の中で考えていることを、ご自分の霊の力ですぐに知って言われた。「なぜ,そんな考えを心に抱くのか。

9   中風の人に『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて、床を担いで歩け』と言うのと、どちらが易しいか。

10  人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」そして、中風の人に言われた。

11  「わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい。」

12  その人は起き上がり、すぐに床を且ついて、皆の見ている前で出て行った。人々は皆驚き、「このようなことは、今まで見たことがない」と言って、神を賛美した。

 

本日の聖書の箇所を読んで、人間関係への関心から、主イエスに対する信頼と友人に対する思いやりから必死になって中風の友人を運ぶ4人にスポットを当てたくなる。そして主イエスも4人の友人に信仰を認められた。ところが興味深いことに聖書には中風の人の心の中は一切描かれておらず、主イエスが一方的に「子よ、あなたの罪は赦される」と宣言された。

罪とは、深い所で神との関係を否定すること、自分の存在の意味を認めないこと、つまり絶望することである。主イエスは、中風の人の中にこの問題を見付けられた。もうどうでもよくなり、ただ受身の生活を送っていた中風の人に対して、決して神は見捨てない、あなたの罪は赦され回復されると宣言するのである。

中風の人は、主イエスの言葉に反応して直ぐに立ち上がっており、主イエスを信頼して人の子の権威を受け入れている。中風の人は、この言葉が聞きたかったのであり、新しい命が生まれるのを感じ、どん底から這い上がる力を与えられ、その人を縛り付ける運命を象徴する「床」を担いで歩き出した。

自立心とは、主イエス・キリストによって暗い絶望の淵から立ち上がらせていただき、新しい道を歩み出すことである。これは主イエス・キリストによる人間回復の出来事であり、マルコによる福音書が最も示したいことである。

主イエス・キリストに出会い、それぞれの場において罪赦されて神様の栄光をあらわしてゆく。本当の自立の姿である。

   

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