2月26日 「起き上がりなさい。床を担いで歩きなさい。」 

ヨハネによる福音書5118節  秋葉恭子神学生

 

1   その後、ユダヤ人の祭りがあったので、イエスはエルサレムに上られた。

2   エルサレムには羊の門の傍らに、ヘブライ語で「ベトザタ」と呼ばれる池があり、そこには五つの回廊があった。

3   この回廊には、病気の人、目の見えない人、足の不自由な人、体の麻痺した人などが、大勢横たわっていた。

5   さて、そこに三十八年も病気で苦しんでいる人がいた。

6 イエスは、その人が横たわっているのを見、また、もう長い間病気であるのを知って、「良くなりたいか」と言われた。

7   病人は答えた。「主よ、水が動くとき、わたしを池の中に入れてくれる人がいないのです。わたしが行くうちに、他の人が先に降りていくのです。」

8   イエスは言われた。「起き上がりなさい。床を担いで歩きなさい。」

9   すると、その人はすぐに良くなって、床を担いで歩きだした。その日は安息日であった。

10  そこで、ユダヤ人たちは病気をいやしていただいた人に言った。「今日は安息日だ。だから床を担ぐことは、律法で許されていない。」

11  しかし、その人は、「わたしをいやしてくださった方が、『床を担いで歩きなさい』と言われたのです」と答えた。

12  彼らは、「お前に『床を担いで歩きなさい』と言ったのはだれだ」と尋ねた。

13  しかし、病気をいやしていただいた人は、それがだれであるか知らなかった。イエスは、群集がそこにいる間に、立ち去られたからである。

14 その後、イエスは、神殿の境内でこの人に出会って言われた。「あなたは良くなったのだ。もう、罪を犯してはいけない。さもないと、もっと悪いことが起こるかもしれない。」

15 この人は立ち去って、自分をいやしたのはイエスだと、ユダヤ人たちに知らせた。

16 そのために、ユダヤ人たちはイエスを迫害し始めた。イエスが、安息日にこのようなことをしておられたからである。

17 イエスはお答えになった。「わたしの父は今もなお働いておられる。だから、わたしも働くのだ。」

18 このために、ユダヤ人たちは、ますますイエスを殺そうとねらうようになった。イエスが安息日を破るだけでなく、神を御自分の父と呼んで、御自身を神と等しい者とされたからである。

 

ベトサダの池の周りで38年間病気に苦しんでいる人に対して、主イエスは「良くなりたいか」と問い掛けられた。普通の人は38年間も病気に苦しんでいるのだから良くなりたいのは当たり前ではないかと感じるだろう。しかし主イエスの問いに対して、病人は「主よ、水が動くとき、わたしを池の中に入れてくれる人がいないのです。」と答えた。この人が、本当に辛く不幸であったのは、病気が治らないことではなく、家族・親戚・友人など心配をして世話をしてくれる人がいないことであった。

そしてこの病人は良くなりたいという思いには絶望して、自分に同情して不幸な状況に安住し、自分の不平不満の原因を他に転嫁するという罪に囚われた状況に陥ってしまっていた。そのような病人に主イエスは「起き上がりなさい。床を担いで歩きなさい。」と呼びかけられ、罪という床から解放して、主と共に歩むことを求められた。

しかし主イエスにより病気を癒されたこの病人は、ユダヤ人に見咎められ、狼狽してうろたえ、自分の責任を主イエスに転嫁するという罪を再び犯した。私達もまた繰り返し罪を犯す者であり、日々の祈り・礼拝・聖餐において常に悔い改め、赦しを求めて主によって新たにされなければならない。

主イエスは私達の罪の赦しを父なる神にとりなし続けてくださっている。主イエスの御言葉により、暗闇から光へ、死から命へと導かれ、罪の赦しの恵みを身に受けて歩んでゆきたい

 

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