12月31日 「わたしはこの目であなたの救いを見た」 イザヤ書12章1-6節、
ルカによる福音書2章22-38節
秋葉恭子牧師
イザヤ書12章
1
その日には、あなたは言うであろう。
「主よ、わたしはあなたに感謝します。
あなたはわたしに向かって怒りを燃やされたが
その怒りを翻し、わたしを慰められたからです。
2
見よ、わたしを救われる神。
わたしは信頼して、恐れない。
主こそわたしの力、わたしの歌
わたしの救いとなってくださった。」
3
あなたたちは喜びのうちに
救いの泉から水を汲む。
4
その日には、あなたたちは言うであろう。
「主に感謝し、御名を呼べ。
諸国の民に御業を示し
気高い御名を告げ知らせよ。
5
主にほめ歌をうたえ。
主は威厳を示された。
全世界にその御業を示せ。
6 シオンに住む者よ
叫び声をあげ、喜び歌え。
イスラエルの聖なる方は
あなたたちのただ中にいます大いなる方。」
ルカによる福音書2章
22 さて、モーセの律法に定められた彼らの清めの期間が過ぎたとき、両親はその子を主に献げるため、エルサレムに連れて行った。
23 それは主の律法に、「初めて生まれる男子は皆、主のために聖別される」と書いてあるからである。
24 又、主の律法に言われているとおりに、山場と一つがいか、家鳩の雛二羽をいけにえとして献げるためであった。
25 そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい人で信仰があつく、イスラエルの慰められるのを待ち望み、聖霊が彼にとどまっていた。
26 そして、主イエスが遣わすメシアに会うかでは決して死なない、とのお告げを聖霊から受けていた。
27 シメオンが“霊”に導かれて神殿の境内に入って来たとき、両親は、幼子のために律法の規定どおりにいけにえを献げようとして、イエスを連れて来た。
28 シメオンは幼子を腕に抱き、神をたたえて言った。
29 「主よ、今こそあなたは、お言葉どおり
この僕を安らかに去らせてくださいます。
30 わたしはこの目であなたの救いを見たからです。
31 これは万民のために整えてくださった救いで、
32 異邦人を照らす啓示の光、
あなたの民イスラエルの誉れです。」
33 父と母は、幼子についてこのように言われたことに驚いていた。
34 シメオンは彼らを祝福し、母親のマリアに言った。「御覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。」
35 ――あなた自身も剣で心を刺し貫かれます――多くの人の心にある思いがあらわにされるためです。」
36 また、アシェル族のファヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。非常に年をとっていて、若いとき嫁いでから七年間夫と共に暮らしたが、
37 夫に死に別れ、八十四歳になっていた。彼女は神殿を離れず、断食したり祈ったりして、夜も昼も神に仕えていたが、
38 そのとき、近づいて来て神を賛美し、エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に幼子のことを話した。
幼子イエスを腕に抱いたシメオンの口から、神を賛美する言葉がほとばしり出た。「主よ、今こそあなたは、お言葉どおりこの僕を安らかに去らせてくださいます。わたしはこの目であなたの救いを見たからです。」神にすべてを委ねる固い信仰をもっていたシメオンは、「主が遣わすメシアに会うまでは決して死なない」とのお告げを聖霊から受け、メシアに会うことを長年待ち望んでいた。そして、幼子イエスを腕に抱いた時、幼子がメシアであることを聖霊の働きによって確信する。救いに与る喜びに満たされてシメオンは、救いが幼子イエスとなって現れたことを、「わたしはこの目であなたの救いを見た」と言い表した。
イスラエルの慰めを待ち望んでいたシメオンだが、シメオンの口から出た感謝は、「万民のために整えてくださった救い」への感謝へと進化していた。神はそのひとり子をこの世にお遣わしになり、そのひとり子、主イエスの生涯と死と復活によって、罪により裁かれるべき人間の心を神に向かって開かせ、救いの恵みの道を啓示されたのである。したがって、主イエスの御降誕も神の救いの啓示であり、旧約聖書と新約聖書も又、神の救いの啓示である。「啓示」とは人間の理解を超えた神の御業を、神ご自身があらわにされることを意味する。そして啓示を啓示として受け取ることが出来るのは聖霊の働きによる。主は十字架にかかられる前、助け主として私達に聖霊を送ると約束された。キリスト者は聖霊の働きにより主イエスを救い主と告白し、主の再臨を待ち望む者である。
私達はシメオンの様に直接幼子イエスを腕に抱くことはできないが、毎年クリスマスが与えられている。クリスマスの出来事に秘められた神の救いの恵みに心から感謝し、「わたしはこの目であなたの救いを見た」と喜びに満たされて主イエス・キリストを証しする歩みを進めたい。