12月24日 「大きな喜び」 イザヤ書91-6節、ルカによる福音書21-21

               秋葉恭子牧師

 

イザヤ書9章  

1   闇の中を歩む民は、大いなる光を見

  死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。

2   あなたは深い喜びと

    大きな楽しみをお与えになり

  人々は御前に喜び祝った。

  刈り入れの時を祝うように

  戦利品を分け合って楽しむように。

3   彼らの負う軛、肩を打つ杖、虐げる者の鞭を

  あなたはミデイアンの日のように

    折ってくださった。

4   地を踏み鳴らした兵士の靴

  血にまみれた軍服はことごとく

  火に投げ込まれ、焼き尽くされた。

5   ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。

  ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。

  権威が彼の肩にある。

  その名は、「驚くべき指導者、力ある神

  永遠の父、平和の君」と唱えられる。

6 ダビデの王座とその王国に権威は増し

  平和は絶えることがない。

  王国は正義と恵みの業によって

  今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。

  万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。

 

ルカによる福音書2

1   そのころ、皇帝アウグストウスから全領土の住民に、登録せよとの勅令が出た。

2   これは、キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。

3   人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。

4   ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。

5   身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。

6 ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、

7   初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。

8   その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群の番をしていた。

9   すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。

10  天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。

11  今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。

12  あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」

13  すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美していった。

14 「いと高きところには栄光、神にあれ、

  地には平和、御心に適う人にあれ。」

15 天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。

16 そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。

17 その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。

18 聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。

19 しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。

20 羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。

21 八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。

 

 

街にはクリスマスのイルミネーションが溢れているが人災・天災のニュースをきくたびに私達は闇の中を歩み、死の陰を感じながら過ごしていると感じる。旧約の時代、現代と同じように危機的な世相のなかで、闇の中に輝く大いなる光としてイエス・キリストが生まれることを、イザヤ書は預言していた。

ルカはイザヤの預言が成就したことを、すなわち、マリアに生まれたみどり子はメシア(救い主)であり、インマヌエル(神は我々と共におられる)と呼ばれることを伝えている。クリスマスとは、十字架において人の罪を贖うメシアとしてのChrist(キリスト)Mas(祝う)礼拝のことである。ルカは歴史的な背景のもとに神の御子の誕生を伝えているが、これは、御子の誕生が歴史的な事実であることを示している。

クリスマスの恵みは人間の知恵で計り難いものである。なぜなら、人間が近づくことを許さないまばゆいばかりの清らかさや美しさをもち、そして、愛そのものである方である神の方から、「恐れるな」と言って近づいてきて下さったからである。天使から救い主の誕生を伝えられた羊飼い達は喜びに溢れて、告げられたことが本当かどうか確かめに「ベツレヘム」に走りに走った。当時、羊飼いは厳しい辛い職業であり、神様から遠く離れていると思われていた。神は、この救い主誕生という巨大な喜びを、まず最初にこの疎外感を味わっていた羊飼い達に伝えられたのである。一方、神のひとり子は、貧しい夫婦の間の子供として家畜の餌を入れる飼葉桶に眠っていた。天使が知らせなければ誰も神の子とは思わなかったであろう。マリアはこの巨大な喜びを深くかみしめていた。とてつもない喜び・神の子である救い主の誕生を私達も大いに賛美・礼拝したい

 

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