129 「真理を見つめて」 ヨナ書11-16

東方敬信牧師  

1 主の言葉がアミタイの子ヨナに臨んだ。

2 「さあ、大いなる都ニネベに行ってこれに呼びかけよ。彼らの悪はわたしの前に届いている。」

3 しかしヨナは主から逃れようとして出発し、タルシシュに向かった。ヤッファに下ると、折りよくタルシシュ行きの船が見つかったので、船賃を払って乗り込み、人々に紛れ込んで主から逃れようと、タルシシュに向かった。  

4 主は大風を海に向かって放たれたので、海は大荒れとなり、船は今にも砕けんばかりとなった。

5 船乗りたちは恐怖に陥り、それぞれ自分の神に助けを求めて叫びをあげ、積荷を海に投げ捨て、船を少しでも軽くしようとした。しかし、ヨナは船底に降りて横になり、ぐっすりと寝込んでいた。

6 船長はヨナのところに来て言った。「寝ているとは何事か。さあ、起きてあなたの神を呼べ。神が気づいて助けてくれるかもしれない。」

7 さて、人々は互いに言った。「さあ、くじを引こう。誰のせいで、我々にこの災難がふりかかったのか、はっきりさせよう。」そこで、くじを引くとヨナに当たった。

8 人々は彼に詰め寄って、「さあ、話してくれ。この災難が我々にふりかかったのは、誰のせいか。あなたは何の仕事で行くのか。どこから来たのか。国はどこで、どの民族の出身なのか」と言った。

9 ヨナは彼らに言った。「わたしはヘブライ人だ。海と陸とを創造された天の神、主を畏れる者だ。」

10 人々は非常に恐れ、ヨナに言った。「なんという事をしたのだ。」人々はヨナが、主の前から逃げて来たことを知った。彼が白状したからである。

11 彼らはヨナに言った。「あなたをどうしたら、海が静まるのだろうか。」海は荒れる一方だった。

12 ヨナは彼らに言った。「わたしの手足を捕らえて海にほうり込むがよい。そうすれば、海は穏やかになる。わたしのせいで、この大嵐があなたたちを見舞ったことは、わたしが知っている。」

13 乗組員は船を漕いで陸に戻そうとしたが、できなかった。海がますます荒れて、襲いかかってきたからである。

14 ついに、彼らは主に向かって叫んだ。「ああ、主よ、この男の命ゆえに、滅ぼさないでください。無実の者を殺したといって責めないでください。主よ、すべてはあなたの御心のままなのですから。」

15 彼らがヨナの手足を捕らえて海へほうり込むと、荒れ狂っていた海は静まった。

16 人々は大いに主を畏れ、いけにえをささげ、誓いを立てた。  

旧約聖書で有名な書であるヨナ書は、鋭く大人の世界に切り込む神様と預言者ヨナとの話である。「主の言葉がアミタイの子ヨナに臨んだ」ではじまるが、アミタイとは「真理」のことである。人は真理に向き合い成長する。

当時最悪の文明の都ミネベに行って悪から離れよ、と人々に呼びかけるようヨナは主に命じられる。ヨナは主を頭では信じながらも神の真理から逃げようとする。預言者が神から逃げ出すということは、信仰者が信仰に生きていないことであるが、ヨナは逃げ出した船から海に放り込まれ巨大な魚の腹の中に3日3晩いて、そこで自分の神に祈りをささげた。魚の腹の中(苦難の中)での祈りをきいた主はヨナを解放し、再び都ミネベで主の言葉を伝えるよう命じる。「あと40日すればミネベの都は滅びる」「悪の道を離れ不法を捨てひたすら神に祈願せよ」というヨナの神からの預言をきいて、人々は悪の道を離れる。滅びのメッセージを勇気を持って伝えたヨナは、人々が思いがけず悔い改め、主が許されたことが不満であった。

自分の立場を守ろうして主に不満をぶつけるヨナに主は傍らのとうごまの木をとおして、左右をわきまえない人々を愛する神のメッセージを伝える。イエスキリストはゲツセマネの主の祈りで「私の思いではなく、御心のままに」と祈られた。自分の立場ではなく神と向き合い神の愛の広さ・強さを感じる者となりたい。

   

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