3月20日「必要なことはただ一つ」 申命記10章12−22節
ルカによる福音書10章38−42節
東方敬信牧師
申命記10章12−22節
12 イスラエルよ。今、あなたの神、主があなたに求めておられることは何か。ただ、あなたの神、主を畏れてそのすべての道に従って歩み、主を愛し、心を尽くし、魂を尽くしてあなたの神、主に仕え、
13 わたしが今日あなたに命じる主の戒めと掟を守って、あなたが幸いを得ることではないか。
14 見よ、天とその天の天も、地と地にあるすべてのものも、あなたの神、主のものである。
15 主はあなたの先祖に心引かれて彼らを愛し、子孫であるあなたたちをすべての民の中から選んで、今日のようにしてくださった。
16 心の包皮を切り捨てよ。二度とかたくなになってはならない。
17 あなたたちの神、主は神々の中の神、主なる者の中に主、偉大にして勇ましく畏れるべき神、人を偏り見ず、賄賂を取ることをせず、
18 孤児と寡婦の権利を守り、寄留者を愛して食物と衣服を与えられる。
19 あなたたちは寄留者を愛しなさい。あなたたちもエジプトの国で寄留者であった。
20 あなたの神、主を畏れ、主に仕え、主につき従ってその御名によって誓いなさい。
ルカによる福音書10章38−42節
38 一行が歩いて行くうち、イエスはある村にお入りになった。すると、マルタという女が、イエスを家に迎え入れた。
39 彼女にはマリアという姉妹がいた。マリアは主の足もとに座って、その話に聞き入っていた。
40 マルタは、いろいろのもてなしのためせわしく立ち働いていたが、そばに近寄って言った。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください。」
41 主はお答えになった。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。
42 しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」
今日の聖日は棕櫚の日曜日である。イエスは子ろばに乗ってエルサレムに向かわれた。その時多くの人々はイエスを歓迎するが、この週はまた、十字架の道へ向かわれるイエス・キリストをお迎えしているのである。
牧師になってすぐの頃に、ハンセン氏病の療養所を訪問した折に知った岩下壮一神父の突然の火災に遭われた事件を通して、最も大切なことは何であるかを学びたい。病院の一同が無事であったことを感謝し、多
くの患者達が皆無事であったことを通して、人間の生命が最も大切であると教えられた。人間の生命は神が創造されたもの、その人間の生命のためにイエス・キリストが十字架につけられたのである。
今日の聖書の箇所でマルタとマリアが対照的に描かれ、主イエスは「必要なことはただ一つ」とされる。
真実な心をもってイエスに向き合うマリアの姿から、マルタに本当に向き合うべきものは何かを示される。