山の呼び声     F10号     2014.11     個人蔵
 2014年還暦を迎えるのを記念に、試験場での最初の研究テーマとなった牛の音声行動をモチーフに描いた。取材地は北海道十勝管内足寄の放牧地である。牛は滅多に鳴かないが、群れから離れたとき不安になり心理的安定を求めるために発声する。受け手の牛の行動反応は少ないのでコミュニケーション機能は軽微である。遠くから牛が視認できない時の音声は、風があると振るえ、山が鳴いているように聞こえるときがある。