錦秋の退牧日   F10号     2016年    
水田脇に彼岸花の小群落が突然現れ、錦織りなす秋色の情緒が身にしみる日、枯れ行く野草では栄養が摂れない牛群は、山の放牧地から冬を牧舎で過ごすために退牧する。子牛を放牧地で出産した母牛は、子牛に寄り添いながら山をくだり、残された放牧地は牛を主役とした牧歌的風情が消えた寂しい草地に変わる。