牛牽く人      F10号     2004.11
    1960年代に「太陽野郎」というTVドラマがあった。つぶれかけた牧場を立て直そうとする風来坊が、牧場を乗っ取ろうとする悪者とたたかったり、牧場再建のために眠りこける国会議員の前でまる1日の大演説。舞台の北海道の肉牛牧場はフランス原産のシャロレー種という真っ白な大型の品種を飼い、その群れをカウボーイハットをかぶった太陽野郎が追い回すシーンがウェスタン映画をみるようで記憶の底に残っている。久しくカウボーイ風の牧場主を実際にみたことはなかったが、数年前、乳牛の共進会でウェスタンファッション風の牧場主が牛を牽いて颯爽と現れた。「あっ、太陽野郎だ」