シバ草地の母子牛    F10号   2004.9
  日本の代表的な野草であるシバは、古くから牛の放牧草として利用されてきた。シバ草地は牛の放牧によってできあがり、長く維持される特徴がある。牛の放牧を止めると雑かん木や長い草が繁茂し荒れ地になる。牛はシバを食べて生活し、ふんの中のシバの種子をばらまき、シバ草地を造成する。見事な共生関係がビロードのような草地景観を形成する。シバは見た目が短い草なので、牛の栄養が不足するといわれてきたが、絵のように母牛は子牛を育てるだけの栄養を持つことが最近の研究でわかってきた。