多和平育成牧場(北海道標茶町)      2011年7月と9月訪問
   根釧台地の西に位置する標茶町の育成牧場で、真ん中の多和平(「たわだいら」とよむ)に展望台がある。公道からのアプローチが短く、標高200m程度で、丘陵地帯にある「地平線の見える大牧場」である。
   展望台からの眺め。手前の青い屋根2棟が土産物販売と標茶和牛肉をウリにするレストランのある「グリーンヒル多和」。左横が羊の放牧場。手前がキャンプ場である。ここの牧場は放牧地1279haのほか、採草地404haもあり、奥の薄黄緑の牧草地は刈り取り後の採草地であろう。
 周囲360度遮蔽のない広大な眺めで、双眼鏡が1基設置してあり、無料で利用することができる。 
   15時頃、展望台近くの給水場や舐塩場のあるパドックに集合して休息する育成牛群。遠くからみると白黒の斑紋模様だけで牛の形がなくなる、まるで擬態効果のよう。赤白斑の牛とブラウンスイス種が1頭ずつ群れに混じる。 
   早朝、2頭の牛が放牧地からあがり、パドックに戻ってきた。 同じ農家出身の仲間牛であろう。 
   9月、2度目の牧場を訪れた。展望台下の放牧地で夏の終わりを告げる心地よいそよ風が吹き抜ける中、草をはむ羊の群れ。 
視てある記: 根釧台地の開陽台、900草原とならぶ総面積2128ha、放牧育成牛頭数2500頭の標茶町営公共育成牧場である。牧場入り口に冬季舎飼い育成牛や哺乳牛の預託施設もあり、そのための採草地であろうか、展望台から眺めると緑の濃淡のアクセントのある丘陵草地が広がる。開陽台、900草原にはないキャンプ場もあり、駐車場には内地のバイクがずらりと並ぶ。近隣の酪農家の奥さんであろうか、一人で切り盛りするレストランで標茶和牛のビーフシチューの夕食を取り、キャンプ場に一泊する。夜中にトイレに行くためにテントをでると満天の星が降り注ぐ。早朝、朝の斜光を浴びてパドックを徘徊する牛を視ながら、穏やかな時間を過ごす。