蒜山(ひるぜん)高原(岡山県)         2000年訪問

 蒜山高原は、岡山県と鳥取県の県境の連山である蒜山の南麓に広がる高原である。東西20km、南北10kmにわたり草地や畑が広がり、「西の軽井沢」と呼ばれる。蒜山地区は、昭和29年に酪農振興計画に基づき、放牧適性の高いジャージー牛が選定され、積極的に導入されてきた。現在3千頭が飼育され、全国の1/3がこの地区で飼育されている。

 蒜山地区で人気のスポット。スチールサイロと赤屋根の牛舎群は、中国四国酪農大学校の第二農場で、ジャージー牛が飼養されている。放牧地を囲むように道路が整備され、牧歌的景観を楽しむことができる。下の写真は、ジャージー牛の搾乳牛群で、春から秋まで放牧されている。

 ジャージー種の代表的な顔を拝見しよう。黒いマスクをかぶったようなのから、ライトなベージュまで変化に富む。ベージュの体色も個体により濃淡があり、ベージュの一枚色または斑紋である。牛の品種の中では、仕草が人間的で愛らしさを感じる牛である。

 蒜山を背景にジャージー種の放牧風景が見られるレストランと売店を併設した「ジャージーランド」という施設がある。その施設に隣接する牧場を見学する機会を得た。農家で生まれた雄子牛を引き取り、肥育している牧場である。左の写真は、成長に応じて牛房で生活する肥育中のジャージ種去勢牛の群である。

視て歩き考:ジャージ牛は、わが国の乳牛のほとんどを占めるホルスタイン牛にくらべ、乳成分が濃厚な牛乳を生産し、草利用性のよい放牧適性の高い特性をもつ。自然で手作りの乳製品や肉加工品の蒜山ブランドは、夏の光を満身に浴びて草をはむジャージー牛のイメージが育んできた証でもある。 戻る

 

profile