このページは、Kiyoの生活記録や感じたこと、牛などの体験つれづれコラムです。お気楽に書いていますので、同様にお気楽に読んでくださいませ。
1.牛にさわるときの注意-その1 11.記憶に残ったウシの絵本  
2.牛にさわるときの注意−その2 12.尾のない牛 
3.牛を集める            13.野鳥の巣    
4.野生動物のサンクチュアリ   14.ジャネーの法則 
5.牛の横臥は右利きか 15.鳥獣害被害 −タヌキ− 
6.金属探知機に反応する牛 16.島根県と栃木県      
7.群れの中で牛は何頭認知できるか 17.家畜の絵の間違い
8.2004年日盛りの自画像 18.すごいローハイドの歌詞
9.悲しい時  
10.走る

1.牛にさわるときの注意−その1      2003.10up load

  昔、観光牧場で、牛にさわろうとする子に、親が「かじるから気をつけて」と注意している場面に出会ったことがある。牛はなめることはあってもかじることはないから心配はいらない。牛は上あごの前歯はないし、上下のかみ合わせが悪く、人のように上下にかむことはない。食べるときは、長い舌で巻き付けて草を引きちぎり、水平運動を含むすりつぶすようなかみかたをする。むしろなめられると、犬になめられるのと違い、よだれをたっぷりつけられる場合があるので注意する。Kiyoは人がいいから、別の意味で牛になめられている(故手塚治虫氏のひょうたんつぎのような文である)。それから多くの牛は角があるが、成育中に除角するので問題はない。農家によっては有角のままの牛がいる。スペインの闘牛のようにつっかかってくることはないが、Kiyoは近づかないようにしている。ちょっと怖いのである。 目次に戻る

2.牛にさわるときの注意−その2           2003.10up load

  最も注意すべきは、後ろ足によるけりであろう。牛もゴルゴ13のように後ろから人が近づくと警戒するのである。もちろん牛により個体差があり、けり癖のある牛は注意すべきである。一般におとなしい乳牛よりも子取りの肉用めす牛(肉用繁殖牛という)、老齢の牛よりも若い牛は、けりが早く、回数も多いようである。また左足のけりが多いという。調べた人はいないがそう言えばKiyoもそんな感じがする。さらに経験則だが牛群の中で強い牛よりも弱い牛がける気がする。まずは、けりとそのよけ方の学術的考察を行っている「じゃーじ牛のホームぺージ」で研究しよう。また時に牛に悪気はないのであるが、たまに足で踏まれることがある。わざと踏むのではなくたまたま足を上げておろしたところに人の足があるといった感じである。そのためにつま先に鉄板入りの安全靴を着用して作業する人もいる。ほかには尾っぽ(尻尾)で顔などをはたかれる場合がある。搾乳中などに多く、尾っぽの先の房にふん尿がついていたりするときわめて不愉快で、こっちもはたきたい気になる。注意。注意。 目次に戻る

3.牛を集める            2003.10up load

  子とりの肉用雌牛は、地域によって春から秋までの数か月間、一日中放牧で飼われる。こうした放牧牛は、牛の好きなえさを用意して、鐘や音楽などの音響で、3日も学習させれば、音響を聞くだけで自ら集合してくる。そのとき自動ロック連動スタンチョンを使えば捕獲も可能である。1頭100g程度の少量のえさでも誘導できるが、そこは牛、えさを多くやれば、集まりが早い。また毎日同じ時刻に音響で条件付けしたえさをやっていると、音響を使わずともその時刻には集合場所周辺に待機するようになる。特に秋になり、放牧地の草が足りなくなると、この傾向が強い。ただ時々集合しなくなる牛もある。分娩前後の牛である。分娩前の牛は、群れから離れ、別行動をとり、見通しの悪いやぶ陰でお産に備える。分娩すると子牛に授乳するために付きそう。だが分娩後数日もすると子をつれて他の牛と集合するようになる。    目次に戻る
4.野生動物のサンクチュアリ       2003.11up load   ここ3年、中山間の丘陵の野草地で放牧試験を行っている。春〜秋、多いときに1日2回、補給作業や見回りをする。行き来は原付バイクであるが、約6kmの周回道路では多くの野生動物に遭遇する。出会う回数順で言えば、ヘビ、カラス、イノシシ、タヌキ、サギ、キジ、野良ネコであり、年1回程度を含めるとコジュケイ、野ウサギ、アナグマ(ムジナ)、キツネ、イタチ、カメが含まれる。ヘビは暖かい日にアスファルト道路を横切るように気持ちよさそうに静止休息している。バイクで踏むと、足を咬まれそうなので、気づかせて道をあけてもらうようにしている。カラス、イノシシ、タヌキは、主に放牧牛に補給する穀類のおこぼれを目当てに放牧地に現れる。サギは9、10月に牛と一緒に行動し、牛が歩くごとに飛び跳ねる昆虫を捕食する。カメは梅雨時の雨の合間に道路端を散歩する。これらの動物は、イノシシ、タヌキの一部ファミリーを除き、私を見ると逃走するが、ウシは放牧地で追い払うわけでもなく一緒に生活しているようである。私は現在、単身であるが、厳密に言えば、家の中ではネズミ、ムカデ、ヤスデ、アリ、クモ、ゴキブリ、ヤモリと同棲している。家の中で出会うと、アリを除き、逆にこちらが逃走する。家の内外ともここは野生動物のサンクチュアリ(聖域)である。そう言えば、職場にもキツネやタヌキが・・・。  目次に戻る

5.牛の横臥は右利きか    2004.03up load

   「左と右の科学」という雑学解説本の中で、おもしろい記述があった。牛は体の右側を下にして眠るので、右の肉が硬くなるというのである。その原因は左側にある牛の第一胃 が圧迫するからだという。牛の横臥はどちらかといえば左横臥が多いし、床ずれを防ぐため、左右を交互に反側して横臥する。また右側の肉が硬くて、左側の肉がおいしいというのは、畜産を研究している私は寡聞にして聞かない。同書ではさらに、鶏は左足をあげて、右足だけで眠るとし、左足を中心に飛び跳ねるので、左足がよく発達し、肉の量も多いという。鶏のことは詳細知らないので真偽不明だが、今度、専門家に聞いて確かめてみようと思う。  目次に戻る
6.金属探知機に反応する牛   2004.04up load

 '04.3/28にTV放映された「どうぶつ奇想天外!動物ミステリーびっくり新発見」に標記のミステリーが紹介された。ゲストは「へえー」と驚いていたようであるが、牛を扱う畜産関係者であれば、すぐに察しがつくことであろう。牛は牛舎内の飼そう、パドック、放牧地にある釘や針金などの金属異物を食べてしまい、その結果、胃袋(第二胃)を傷つけ、胃炎になったり、穴を空け、化膿したり、心臓を傷つけ、心のう炎になる。専門的には「創傷性疾患」というが、一般に「金物病」とも呼ばれている。その対策として、5〜8cm長の磁石を牛に飲ませ、第二胃に滞留、金属物を吸着させ、そのような事故を防止するのである。金属探知器に反応する牛とは腹に磁石のある牛である。過去の輸入梱包飼料の中には、梱包に針金を使っていたケースもあり、その断片が飼料に紛れるので、かなり昔から農業共済組合が損害防止事業で磁石投与を行ってきた。TVでは、実際に放牧地に空港で使う金属探知機を設置して、牛を通過させて確認していた。大がかりな仕掛けは笑わせてくれるが、方位磁石を牛の左下腹部に近づけ一定方向に針が定まれば、磁石の存在が確認できる。  目次に戻る

 7. 群れの中で牛は何頭認知できるか  2004.04up load

  家畜牛の群れは人為的に編成されるが、最初は互いに闘争し、その結果、序列ができる。これは群内の個体間が互いに認知し、顔見知りになる過程であり、無用な敵対闘争が減り、個体間関係(社会構造)が安定することを意味する。従って社会構造が安定するには、個体間が互いに認知、顔見知りであることが前提となるが、さて牛が他個体を認知・記憶できる頭数とはどのくらいであろうか。学術的に研究した事例を知らないが、一般に60頭程度といわれており、これ以上になると確定した序列が記憶できないため闘争が増加するので、一群の頭数をこの範囲内に編成するのがよいとされる。サルなども60頭程度が一群の単位とされ、1000頭規模の高崎山のサルもボス猿(最近はアルファオスと称するそうな)はいるが、実際はこの群(サブグループ)単位での子ボスがいるそうである。人間も家族、親族、知己を含め60人程度の親密な個体間関係の中で一生を過ごすという。現在のわが職場も60人程度で、まことに安定した社会構造をもつ組織といえるが、時たま局所の人間関係において闘争(このような直接的な表現を我々は使わず、あくまで「活発な議論」という表現を使う)が生じるが何でだろう。           目次に戻る

8.2004年日盛りの自画像  2004.05up load

  曲がりなりにも絵を描いて30年経過したのを節目に、自画像を描こうと思い、鏡に自分を写してイーゼルに向かったがなかなか筆が進まない。照れもあるのだろうが、普段から自分の顔を鏡に映す習慣が少ないことに気づく。洗顔や髭剃りの時に鏡を見るように鍛え直す必要がある。この点女性は鏡相手に若い頃から毎日化粧にそれなりの時間を費やすので、自分の顔を客観視する行為に慣れていて、こうした不覚もないであろう。自画像とは、その人の芸術論なり、心情告白なりの哲学を織り込むべきなのだろうが、とりあえずモチーフとする牛の姿を熱い視線でひたすら讃えてきたのだから、今度は牛が私を客観的な視点で見たら多分どうなるか、率直な思いで絵を完成させた。 絵画参照   目次に戻る

9.悲しい時              2004.08up load

  最近、若手漫才コンビが「悲しい時」と叫ぶネタをやっている。悲しいとは、自らが痛ましい、切ない様をいうのだが、客観視されるとなんともおかしく笑われてしまうのである。▼私が記憶に残る(といっても5年以上も前のことはほとんど覚えていない。時々昨日のことも)悲しい時を話しましょうか。▼悲しい時その1。同じ人から名刺を二度もらったことが2回ほど経験がある。以前名刺を手交しているのに、むこうは初対面のつもりでつい名刺を。かくいう私も1回やりそこねた経験がある。名刺を渡そうとした時、相手の驚いたようなとまどった顔をみて、あわてて引っ込めた。牛は初対面の相手に対して強烈な頭突きをかまして互いに認知関係になるが、このようなインパクトがないとだめかな。▼悲しい時その2。私の名は「貴代史」と表記するが、ワープロの変換ミスなのだろうが、貴は喜、史は志と間違った表記をされるのは、日常茶飯事である。喜も志もおめでたい漢字なので、あえて訂正を求めることはしないが(訂正が面倒な時もあるかな)、これまでに「喜代志」という受け取り名で定額小為替をもらった時は困った。自らこのような誤ったサインをしないと換金できないからである。▼悲しい時その3。加齢に伴うボケ防止に、職場で私は気の利いた洒落をよくとばすのであるが、先日「親父ギャグはうっとうしいですから、廊下に立っててください」といわれた。めげずに頑張ります。     

目次に戻る

10.走る          2004.10up load

   私の住む町は高齢化が進み、65歳以上の人口が25%を超える。小学生も少ないので、その運動会を兼ねて、居住地区対抗の町民体育大会が毎年行われる。9月佳日、その体育大会に参加した。単身赴任者たる私が本来なら無縁の行事であるが、今年は居住区の自治会長(会長といっても市広報の配布とゴミ収集監視を主な業務としている)を仰せつかり、まとめ役として参加必須となった次第。トラックを囲む応援観覧座敷にいると手持ちぶさたなので、小学生の100m走を時計付きストップウオッチ(正確にはストップウオッチ機能付き時計か)で計測すると、早い子で13.5秒、遅い子で24秒。それにしても子供はよく走る。競技以外でも何故だがトラック内外をよく走りまわっている。私は普段の生活の中で走るという無駄な行動は滅多にしない。時たま東京に出たときに、駆け込み乗車という全力疾走をやるぐらいだ。だが仕事でも走った事があるらしい。ウシの体重を測るため、放牧牛の親子を囲いに追い込んだ時、手伝いに来たパートの方から「早坂さんがあんなに必死に走っているの初めて見た」といわれた。記憶にないがウシを捕まえる目的達成なら私も走るのである。間違いない。             目次に戻る
11.記憶に残ったウシの絵本     2004.11up load

   10月、東京・上野公園で「本で描かれた動物展」のポスターを偶然見かけたので、開催中の国際子ども図書館に足を運んだ。本展は「十二支」の動物が各国の本、主に絵本や児童書にどのように描かれているかを紹介している。十二支の丑(ウシ)のコーナーでは、「めうしのジャスミン」、「モーモーまきばのおきゃくさま」、「くいんしんぼうのはなこさん」といった絵本が展示されていた。それらを閲覧室で目を通すと、「くいしんぼうのはなこさん」(福音館書店、昭和40年)に心動かす写実感があり印象に残った。話の筋はこうである。生まれつきわがままでおてんばな牛のはなこは、その性格ゆえ、飼い主に山の放牧場(公共育成牧場である)に預けられる。放牧場には見知らぬ多くの牛がいたので、はなこは彼らとけんかをして勝利し、群れのリーダーになり、以後、牧場の池で水浴びするのも日陰で休むのも他の牛を押しのけて優先的に利用する(牛の社会構造である)。ある日農家の人が持ってきたジャガイモとカボチャを独り占めし、胃袋にガスが溜まりもがき苦しむ(急性鼓腸症という)。腹に針を刺してガスを抜く治療(適切な処置である)をしてもらって以後、すっかりおとなしい牛になったとさ。最後のおとなしい牛になった落ちは創作であるが、公共育成牧場での牛の社会構造や牛の病気とその治療を、見事な事実と写実の色合いに染めあげた記憶に残る絵本である。作者の石井桃子氏は牛を飼った原体験でもあるのだろうか。        目次に戻る

12. 尾のない牛         2005.8 up load
  以前、ニュージランドの放牧風景のTV映像で尾がない牛をみて驚いた経験がある。その後、人が尾を切った処置(断尾)と知った。▼文献によると、その目的は伝染病である尿中のLeptospirosisというバクテリアが尾に付くのを防ぐためだそうである。北米や日本でもこの断尾が増えているが、主たる目的は牛の体や乳房の汚れを防ぎ、搾乳作業のやりやすくするためである。▼汚れは、牛舎内で牛の横臥時に尾をふん尿溝(通路)に落とすために、尾房にふん尿が付き、その尾を振るために起こる。それを防ぐために、尾がふん尿溝にふれないようにひもでつるしたり、搾乳ごとに尾を洗ったりしていたが、多頭化やミルキングパーラ(搾乳室)での搾乳に伴い断尾処置が増えているようだ。▼米国でも2000年頃に断尾による行動の変化、衛生や乳質への影響を検討した論文が数編発表されている。科学的判断のほか、尾でハエが追えないなど家畜福祉面も含め、その是非が指摘されている。▼ただ外見からみると、除角した牛はあまり違和感がないが、尾のない牛は不自然さや違和感があるのはなぜか。一方、羊は尾があり、尻の汚れを防ぐために断尾するが、尾のある本来の羊をみると逆に不自然さを感じる。不思議な感じだが、尾のない牛は本来あるべき牛の特徴を欠いているようで、絵にするのはむずかしい。目次に戻る
13.野鳥の巣                 2005.9 up load
    放牧地で野鳥の巣を見つけることがある。20代の頃、傾斜草地で放牧試験を行っていた時に、草地をくりぬいたお椀型の巣に4個のホオジロの卵を見つけた。しゃがんでのぞき込んでいると、親鳥が近くを飛び交い、けがのふりをする擬傷(ぎしょう)行動をしながら、注意をそらそうとしていた。▼2005年5月、50歳、放牧地のイバラの茂みにキジの巣を見つけ、驚いた。卵が10個もあったからである。調べてみると、キジとニワトリは同じ仲間だそうである。そういえばニワトリと同じようにキジは雌よりも雄が鮮やかな羽毛を持ち、赤いとさかを持っている。▼閑話休題、どちらの巣も数日後には、卵は巣から忽然と消えていた。瞬間、親が卵をくわえて、別の巣へ引っ越したのかと思ったが、しばらくしてカラスか蛇に襲われたのだと考え直した。野鳥にとって産卵子育て は外敵にさらされる大変な作業である。                               目次に戻る
 14.ジャネーの法則  2006.4 up load                        2006年1月放送の「トリビアの泉」によると、年をとると時の流れが早く感じる現象をジャネーの法則というのだそうである。たとえば50歳の人の一年を感じる長さは25歳の人の半分にすぎない。その背景には、若い人ほど、新しく経験することが多く、刺激的な ことがあげられる。▼確かに50歳を超えた私も新鮮な経験が減り、淡々とするすると1年が過ぎていくのを実感する。また補足すれば、転勤した1週間はすごく時間が経つのが長く感じるし、そこの転勤地で、5年を超える頃から、マンネリモードになり、仕事もいい成果がでにくくなる経験則をもっている。さらに補足すると、加齢に伴う物忘れも時間経過の速さに拍車をかけているようである。▼時間が早く過ぎるのは仕方がないが、物忘れは周りの失笑と迷惑をかけているのかしれない。だがそんな私も生存に必要な寝ることと食べることは忘れないのである。       目次に戻る
15.鳥獣害被害 −タヌキ−  2007.4 up load

 島根県に単身赴任した頃、車にひかれたタヌキの死骸を多く見かけた。中国地方中山間地ではネコ、犬よりもなじみのある動物である。▼警戒心が強いのか普段はあまり見かけないが、 牛の行動調査のため、牛舎内のビデオカメラに夜中うろついているのが 映ったりしている。たまたま早朝に牛舎を訪れると、飼槽のえさを失敬しており、こちらに気づくと直ちに牛のふん尿溝に潜って逃走 する。牛の試験用の配合飼料を1食ごとにビニール袋に入れ、牛舎内のバケツにいれておいたら、ふたをしていなかったので、翌朝盗食された経験もある。 里山の放牧試験地で牛に補助飼料として穀類を給与したときは、そのおこぼれにあずかろうとタヌキの夫婦をよくみかけた。▼アニメの「平成狸ぽんぽこ」のタヌキのように、他の野生動物や家畜にくらべて顔や体が個性的で個体識別がしやすい。昼はタヌキ寝入り、夜は空き巣泥棒のようだが、どこか愛嬌があり、にくめないところがある。                                 目次に戻る                           

16.島根県と栃木県          2007.4 up load

   これまで島根県に5年、栃木県に13年住んだが、過日、新聞のアンケート調査で、知名度の低い県のNo.1とNo.2となっていた。大国主主命(おおくにぬしのみこと)を祀る出雲大社や日光・那須といえば周知となるが、その所在する県となると知名度がとたんに低くなる。▼栃木県人に島根県を聞くと、たぶん「九州にそんな県ありましたっけ」となるし、島根県人に栃木県を聞くと、たぶん「・・・・・知らんが−」となる。▼島根県は、出雲神話のふるさとであり、65歳以上の高齢化率27%で日本一、過疎化が進み、イノシシなど野生動物と人の居住権を巡りトラブルが増え、牛の放牧で何とかならないかと考えている。栃木県は、県名の「栃」が相撲取りの名前しか使わないのが知名度の低い理由と聞いたことがあるが、地図上の位置も関係しているのだろう。栃木県を囲む群馬県、茨城県、福島県も知名度の低い県の10位以内にランキング入りしている。▼だが、両県に住んだ経験から言わせてもらえれば、地震や風水害などの自然災害が少なく、暑すぎず、寒すぎず、年平均気温13〜15℃で住みやすい県である。さらに特筆すべきは、両県とも本州で有数の牛の生産地帯であり、島根和牛といえばブランドであり、栃木県の生乳生産量は北海道に次ぎ第二位を誇る 隠れた実力を持つ。     

追伸(2008.5.6):外国人専用のHPで検索されるベスト8に栃木県がランクイン。日光・那須は外国人にとっても行ってみたい名所なのかな。     目次に戻る                           

17.家畜の絵の間違い             2008.5 up load
  日本の代表的な乳牛であるホルスタインの黒白の斑紋は、腹と尾房が白色と遺伝的に決まっている。尾房が黒いホルスタインを描いた画家の絵を2〜3度みたことがある。▼また日本が世界に誇る有名な某アニメ映画に登場する山羊には、 上下あごに前歯が描かれていた。山羊や牛は下あごの前歯のみである。草を食べるときは舌を上手に使って口に入れ、奥歯でこすり砕く。1.牛にさわるときの注意−その1」を再読してね。もし 上下に前歯があれば、草食家畜も、角突きや足蹴りなどとともに相当強力な武器となっただろうね。ふれあうときもちょっと怖いね。こうした間違いは、畜産専攻の学生でも知られているので、ことさらに描いた当事者に指摘するつもりはないが、逆にそのひっかかりが 記憶の底や印象に残ったりするから不思議でおもしろい。      目次に戻る                  
18.すごいローハイドの歌詞         2013.11 up load
 1960年代に「ローハイド」という数千頭のウシを市場へロングドライブするカウボーイのTVドラマがあった。主題歌はアップテンポで明日を元気に生きる希望をイメージさせる曲だが、最近、動画サイトでこの歌詞を見て驚いた。▼再録すると「ローレン〜〜休まずに前に進めさせろ もたつかせるな 子牛でも休ませるな ローハイド 優しくしようと思わずにロープで従わせよ もうすぐ俺たちは良い暮らしができる 考えてみれば最愛の人が待っている 旅の終わりに 休ませずに前に進めさせろ ローハイド 切り離せ 割り込ませろ ローハイド」。ローハイドとは生皮の鞭で曲の間に合いの手を入れている。イントロのローレンrollingも転がすの意味でウシを追い立てている語感がある。▼一種家畜の福祉に反する詩と見間違うが、ドラマの内容は、ウシのドライブ中に事件に巻き込まれたカウボーイの勧善懲悪物語である。そのためだろうか日本語版は次のように差し替えらえている。▼「ローレン〜〜俺たちゃ男だ 弱音をはくな ローハイド 荒野を越え あの町を過ぎ 可愛い牛を追い 口笛を吹き 果てない旅 おいらはカウボーイ 恋人なかなくても平気 仲間がいるぜ ローハイド 行くぞみんな 後に続け 鞭を鳴らし ローハイド」