東海道・山陽新幹線の二階建て電車は100系とばれ、初のフルモデルチェンジとなった車両です。
精悍なフォルムに二階建て車両、とくに個室や階上の「展望食堂車」は、羨望の的でした。
この100系は全部で66編成あり、そのうちの16編成に食堂車が連結され、楽しい「食」の
ひとときを提供してくれていました。「いました」と過去形で書いたのは、残念ながら、すでに
食堂車は営業をやめてしまったからです。
ところで、100系電車には3種類の編成がありますので、簡単に紹介します。X編成: 全部で7編成あり、二階建て車両に食堂車が連結されていました。この初期の
編成は、すでに殆どが廃車となってします。
G編成: 全部で50編成あり、食堂車はなく、そのかわりにグリーン座席となっています。
V編成: 全部で9編成あり、“グランドひかり”とよばれる編成です。 二階建て車両に
食堂車が連結されていて、2000年3月10まで営業をしていました。
朝食後、資料整理に没頭
二階席、この大窓からの展望が最大の魅力
今まで何度も利用してきた100系でしたが、ある日ふと
「この全66編成の完全乗車と、16編成の全部の食堂車で食事をしてやろう」と思い立ちました。
そして、その目標に向かってただひたすら「乗って・食べて」の挑戦が続けられました。
「乗りつぶし」が進むと、どうしてもすでに乗車した実績のある編成にぶつかってしまいます。
ですから、まだ乗車していない編成が来るまで、ホームでずっと待っていなければなりません。
冬の夜、寒い中、何時間もねばり続けたために、風邪をこじらせてしまったこともありました。
また、全食堂車で食事をする、「食べつぶし」達成のため、満腹なのに無理して料理を食べた結果、
一日中、胃がもたれて辛い思いをしたりと。
これら以外にも、いくつもの人に話せないような恥ずかしい悲喜劇を経て、開始から4年3ケ月後の
1997年7月3日、ついにこれを達成することができました。それは、まさに笑いと涙の奮戦記でした。
そのなかの、いくつかのエピソードを「今は昔」となってしまった食堂車の食事風景、キッチン
内部、料理等の写真もまじえて紹介いたします。
この機会に、是非とも「乗って・食べて」の旅をお楽しみください!