ブッちゃんオリンピック
(水平投射)


1.放物運動の頃  

自由落下から放物運動の学習の期間は、我々にとってはとても大切な時間です。この頃から、「公式嫌い」や「計算嫌い」、そして「物理嫌い」が生まれ始めるのです。「速度」や「加速度」はどうにかのりきったものの、さらにややこしい計算(生徒たちには)に楽しさを発見させなくてはなりません。

2.ブッチャンオリンピック

そこで、放物運動(水平投射)の実験を楽しくできる(生徒に大好評!!!!)教材を作ってみました(大塚先生、お願いしまーす)。名付けて「ブッちゃんオリンピック」。

ビデオを見る

長野オリンピックでのジャンプ競技のビデオを見せる。原田選手や船木選手のジャンプに生徒はくぎづけです。団体での日本の逆転金メダルのシーンは感動モノです。

実験の前に

図のようにジャンプ台があります。ブッちゃんがスタートライン(青いラインの位置)から速度を上げてジャンプするのです。それぞれの班で初速度の大きさを変えてありますが、各班のジャンプ台の初速度Vをカードに書いて教えますね。飛び出す高さは全て78.4cm。着地する位置を計算によって求め、その位置に着地カップを置き、うまくビー玉(ブッちゃん)がカップに入ったら合格です。ただし、競技は1回勝負!正確な計算が必要です。(実際には運も・・)
生徒は水平投射のノートから、計算を始めます。高さ78.4cmをまずmに直して・・・・・地面につく時間は・・・・・・その時間で水平方向にはどれだけ進む????という具合で、いつになく楽しそうです。着地点が求められたら、実験開始です。いや、競技開始です。

実験

各テーブルに1台ずつジャンプ台を設置します。4人で1チームです。

           

下の図はジャンプ台の前後に取り付けてある糸(クリップ)です。2つのクリップの位置を中心線に一致させて初速度の方向をまっすぐにします。計算によって求めた着地点を物差しで測り、カップの黒い点をその位置へ(ちなみにカップの中にみえる白いモノは脱脂綿です。ビー玉が外に飛び出ないようです。ちょうどよくジャンプ競技なので、白い雪に見えて生徒は大喜び!)。



ブッチャンビー玉です。ちゃんと顔がついていますよ。
初速度のカード。水平方向には等速直線運動ですね。

では、青いラインからブッチャンスタートです。
スポっと音もなく入ります。生徒は拍手、拍手で大喜び。

初速度に誤差を含んでしまう

ビー玉の実際の運動には、空気抵抗、回転のエネルギー損失などの誤差が生じます。誤差の影響をなくすことがこの実験では必要です。そこで、ジャンプ台の水平部分からの落下時間を全ての班で統一し(高さ78.4cm)、任意のスタートラインから水平投射させたときの着地点の距離から初速度を逆算してあります。こうすることで、誤差が初速度に含まれます。