虹の順番 言えるかい?
「虹スクリーン」で虹を見る



暗闇に何か光るモノが・・・・


1.虹の色
というわけで、今日は暗闇で虹をつくりましょう。「おおおおおっ!」(生徒の歓声)
みんなで人工の虹をつくりますよ。「うううおおおおおっ!」(オーバーな歓声)

その前に、みんなは虹を見たことはあるよね。虹の七色の順番を言えますか?(・・・シーン)
それから、一番内側の色、言えますか?(「赤・・・青・・」 「紫」 「黒!」)
「黒」と言ったのは誰ですか?黒は光のない状態ですよ!我が物理チーム、ちょっと心配です。

2.それからもう1つ
虹はどんな形をしていますか?「虹の架け橋・・・・・えーっと、アーチ型です」
そうですね。けれども、なぜ半円状のアーチ型なのか考えたことはありますか?「・・・・・・・・・」(生徒無反応)
今日は、その点も解決しますよ!

3.虹スクリーン
今日の「人工虹」は、名城大学の内川英雄教授が考案された「虹スクリーン」を製作します。

「虹スクリーン」
プラスティックビーズ(直径0.3mm)をスプレーのりで黒画用紙に固着させるもの。内川先生のグループは
この実験で「東レ理科教育賞」を受賞されています。

準備するもの

@プラスティックビーズ(中村理科工業)、スプレー式のり、黒画用紙、ホッチキス、紙コップ、新聞紙

製作の前に、「虹ビーズ」を顕微鏡で観察します。倍率はおよそ200倍です。
      A虹ビーズ(直径0.3mmのプラスティック球体)

「虹ビーズ」の形はどうですか?「まんまるです」
この形になにか、関係がありそうだね。
では、このビーズを水の入った丸底フラスコに置き換えて、レーザー光をあててみましょう。
       
Bフラスコの球状部分の上側に入射した光は屈折しているのがわかるかな?

屈折した光は、内部のガラス面で反射して、さらにもう一度屈折して
空気中に戻ってくる場合もあるんだ。これらのことを頭にいれて、実験いきましょう!


C図のように、黒画用紙の端から1〜2cmほどの折り目をつけます。
D黒画用紙にスプレーのりをふきます。(多めにします)
E新聞紙のトレーをつくります。
F新聞紙のトレー内でプラスティックビーズをふりかけます。
Gトレーの外にこぼさないように気をつけて!
Hこのビーズは球体なので、床にこぼれるとかなり滑るので危険です。慎重にね。
      
Iビーズをふりかけたら、黒画用紙を左右に振ってビーズを均一にします。

Jのりが乾くのを待ちます。

最後に、はじめに折り目をつけた4辺を折り返して、ホッチキスでとめます。そして完成!

それでは、部屋を暗くしますよ。光源は太陽光(平行光線)、裸電球(点光源)、
ろうそくの火(点光源)の3つです。あー、そこの君、あまり興奮しないで。

あっ!虹だ!
黒の学生服なので、だれが誰だかわかりません!
J今度は虹の順番、言えますね。

4.参考
虹スクリーンはキットとして中村理科工業より発売もされています。
私は東京書籍「物理の世界IA 指導資料」でこの実験と出会いました。
とてもすばらしい教材で、教材づくりの励みになっています。