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| 2002/01/28 |
目次:
■ブラジル南部10州、再度の大停電
■トランスブラジルの社主交替、だが、疑問が残る
■コチア商会、取締役会が支配権を購入
■MRV、海外ブラジル人へアパート販売
■与喜食品、伯銀と5700万レアルの融資協定
■海賊版腕時計6・3万個をサントス港で押収、廃棄処分
■アルゼンチン、ペソ化、銀行救済法と本年度予算
■米国麻薬対策費の内戦への流用を要請
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■ブラジル南部10州、再度の大停電
送電線のネジ一本の緩みから
1月21日13時34分、サンパウロ州イーリャソルテイラ発電所とアララクアラ
変電所を結ぶ第二送電線を止めるネジが緩み、高圧線が川の中に墜落、ショー
トを起こし、送電が一時中断された。この中断が引き金となって始まった停電
は連鎖反応からブラジル南部10州に及び、サンパウロ市メトロ・鉄道も2時間
に亙り運行停止、銀行・商店は保安の見地から閉店、揚水ポンプが動かぬため
断水、携帯電話は負荷過剰。電力供給が95%まで回復したのは19時であった。
この停電によって予定されていた停電省、正式名は電力危機管理会議所CGEの
停電措置緩和の会議は翌日に延期された。
サンパウロ大USP電気研究所のサウエル教授の説明によれば「ブラジルの電
力設備に能力の余裕があれば、一ヶ所の事故の影響はその地域のみに限定する
ことが可能であるが、能力限度まで使用しているため、停電地域を限定するこ
とが出来ず、広範停電とならざるを得ない」、ミナス連邦大のマルチネス教授
も同意見「現在は安全率の限度に達している。解撤策はただ一つ、投資が必要
である」と述べた。
将棋倒しシステムで超広域停電
イタイプー発電所にて14年間、取締役室技術補佐を勤めるメイレレス技師は
全国電力システムONSに対して「大停電はミスが重なったもの、わずか一本の
送電線切断で10州に及ぶ大停電になるのは道理に叶ったシステムとは思えな
い」と攻撃した。この問題は99年のバウルー変電所落雷による大停電の際にも
サンパウロ州電力局のアルセ局長が採り上げ、また、サンパウロ州技師組合の
キルシュネル理事も「送電線回路切断は、予定の有無にかかわらず常に発生
し、自動的に解決しており、この大規模停電の原因とするには充分ではない。
電力システムは一ヶ所の切断に対して耐えられるように設計されている筈であ
る」、また、リオ連邦大のシャエフェル教授も「今回の停電は13時半に発生、
この時間は電力需要の頂点でなく、送電設備には充分に余力があった筈であ
る」との意見である。
改善システム購入、未だ一部のみ
99年の大停電の後、電力システムONSは大停電を防ぐためシステムCLPを購
入、その一部を導入しテスト中という。ただし、予定では既に6ヶ月前に全シ
ステムが導入される予定となっており、他の停電対策は火力発電優先プログラ
ム、電力消費地に近い地点に火力発電所を設置、送電線による複雑なシステム
との関係を軽減するのが目的であった。しかし、これも実行が遅延。また、エ
ンリッケ元電力局長によれば「火力発電は停電に関して更に敏感に反応するの
で適当ではない。また、今回の停電は投資不足に起因するものでなく、相互接
続の複雑から管理システムが充分完成していなかったためである」と語った。
コロンビア、政府と革命軍の休戦交渉合意。
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■トランスブラジルの社主交替、だが、疑問が残る
資金難の航空会社に買い手
12月3日から資金難のため、運行を停止していたトランスブラジルの株式が
フォンタナ家からフォンセッカ氏へ1月21日に譲渡され、22日から氏が社長と
なる。トランスブラジルの売却価格は2,000万ドルであるが、負債は9.1億レ
アルを抱え、99年に欠損8,770万レアル、2000年には2.12億レアル、2001年上
期6,500万レアルと欠損続きであった。
新出資者と購入後の計画
購入したフォンセッカ氏は航空タクシーのフライブラジルの社長、購入は単
独ではなく、米国の航空機部品業者のドヅソン社との共同出資である。フォン
セッカ氏は「10日間以内に運行を再開する」と発表した。新支配者グループは
最初に国際金融市場から2,500万ドルを調達、その後、180日間に2億レアル
を投入する予定という。
トランスブラジルの現有機はボーイング767−200が3機、767−300が2
機、EMB120が5機、いずれもリース。これにボーイング737−300を3機、
727−300を3機、727−200F貨物機2機を加える予定計画である。支配権移
転に対する民間航空局の意向は未だ確定していないが、青信号の模様、また、
新支配者は人員整理は行わないと確約した。なお、取締役全員は辞任したが、
シプリアニ前社長は役職不明なりに留任という。
疑問の多いトランスブラジル取得
トランスブラジル航空を購入したフォンセッカ氏は1月23日現在まで外国か
らの投資資金2,500万ドルを受け取っておらず、出資者名も不明である。彼の
話によれば「会社の支配権移転手続きが完了した時点にならなければ、外国か
らの送金は入らない。また,2月5日には社債を発行する予定」という。トラン
スブラジルの株主総会は31日に開催、総会ではR$1.00にて支配権移動を確認
することになっている。
航空局、今後の資金繰りに疑問を抱く
航空局DACは法的に支配権者はブラジル人であり、外国資本は20%以内との
点で支配権移動を認めたものの、グロシ局長は新支配者に対して2月3日まで
に運行再開時に必要な資金の出所、今後の資金繰り、損益予想に対する計画書
提出を求めた。
氏の経営してきた航空タクシーのフライブラジルとエルシュデイ、航空機清
掃のフロップスの業績は好調といえず。更に、氏の抱えている訴訟は5件、訴
訟は98年11月のGMリースからのリース料金不払による契約廃棄請求、2000年4
月のアセレーテッド・ジェネチクス社からの債務取立強制執行の訴えなどであ
り、市場では今回の取引はR$1.00にてトランスブラジルの支配権購入を疑惑
の目で見る者が多い。
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■コチア商会、取締役会が支配権を購入
ブラジル最大の商社、コチア商会の支配者が取締役会の一部の者が取得し
た。同社の資本金の60%はブラデスコへ売却されたBCNの元銀行家のコンデ氏
が所有していたが、40%が取締役の一部に譲渡された。市場の評価では価格は
約1億ドルと推定され、交渉は約2ヶ月前から進められ、仲介はパクツアル投
資銀行。
コチア商会は70年代にコチア食肉のブリット家により牛肉輸出のために創
立、その後はブリット家の持分は減少、食肉輸出から主力が自動車輸入へ以
降、ブラジルの自動車輸入の60%、同社の収入の85%を占めるに到った。98
年、米国のペンスケと合弁でコチアペンスケ物流を設立、自動車のみならず、
家電その他の分野へも進出、特に輸入関係手続き、通関、輸送、在庫、納入、
ジャストインタイムの部品供給などのサービス提供では定評を確立、メルコス
ール域内に14ヶ所の物流戦略拠点を設けるに到り、95年には3,500万レアルを
投じて総面積30万平方米、建築面積3.9平方米の通関センターのエアディ・ビ
トリアを建設、その他の各所の倉庫・通関センターを合計すれば100万平方米
以上となる。
99年にBCN銀行をブラデスコへ売却したコンデ氏が支配者となったが、同
氏は貿易業務に関心を示さず、昨年の売上げ14億ドル達成に際しても、祝典を
挙げるのを拒んだという。今回の支配権購入に参加したのはマンガベイラ副社
長を始めとする5人、今後は氏を社長とし、自動車関係のリース、金融から手
を引き、輸出入と物流の本業に専心する方針を採用すると予想される。
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■MRV、海外ブラジル人へアパート販売
ブラジルのアパート業界第2位のMRVエンジニャリングがインターネットを
通じて海外に住むブラジル人へ住宅アパートを販売している。同社は79年創立
の会社で、ブラジル国内25都市にて年間7,500アパートを販売、現在までに建
設したのは3.5万アパート、建設中は7,680アパートという会社。アパートは
小型で価格は3.5万レアルから6.5万レアル。
同社は海外に住むブラジル人にも注目し、先週からTVグローボ海外版で30
秒のコマーシャルで宣伝を開始、インターネットによる注文も受け付ける。現
在までに海外で販売したのは54アパート、内訳はアメリカ35人、日本10人、イ
ギリス4人、その他が4人。月賦契約はサフラ銀行で、アパートが引き渡され
ない場合は銀行が損害補償する条件となっている。
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■与喜食品、伯銀と5700万レアルの融資協定
与喜食品Yokiは1月18日、伯銀とピポッカ(ポプコーン)タイプのとうもろ
こし、マンジョカ、落花生の営農販売資金融資協定5,700万レアルに調印し
た。資金はサンパウロ、パラナ、南リオグランデの小規模農家7.5万家族へ向
けられる。与喜のシェルビニ副社長は「協定は今回が3年目、我が社へ生産物
を提供する農家の生産条件を満たすために使用される」と説明、資金中1,237
万レアルは営農資金、4,470万レアルは販売資金。
同社は97年まではピポッカ用とうもろこしはアルゼンチンとアメリカから
100%輸入していたが、生産者との直接契約と伯銀融資協定によってすべて国
内産に切り替えた。ヨキの国内需要予測は1.7万トンから2.0万トン、本年度
は3万トンの収穫が見込まれるので、超過買取り分を輸出に向ける予定。
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■海賊版腕時計6・3万個をサントス港で押収、廃棄処分
サントス港の税関は1月17日、時価4.8万レアルに相当する押収した偽造腕
時計6.3万個を押し潰した。時計はブルガリ、グエス、コスモス、コンドル、
ドゥモン、シティズン、ディズニーなどの偽造品で香港製、輸入会社はパラグ
アイの商社、モンテビデオ、ブエノスアイレスへも送られた形跡がある。これ
らは云うまでもなく知的所有権侵害、ブルガリ社のギラルジ弁護士は偽造時計
を見て「一見しも見分けられない程度によく出来ている」と語った。
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■アルゼンチン、ペソ化、銀行救済法と本年度予算
政府、預金凍結を若干緩和
預金凍結に反対する国民の声を静めるため、ドゥアルデ大統領は1月17日の
テレビインタビューにて「凍結解除は徐々に行われ、近い内に100%となる。
予定される新措置は約80%の預金者へ効果を及ぼす」と語った。準備されてい
る新措置はUS$5,000までのドル建て定期預金は公式レート(ドル1.40ペソ)
にて換算され、当座預金へ振替え、毎月1,200ペソまたは1,500ペソの枠内で
引き出し可能,US$5,000を超過する場合はペソ建て定期預金へ入る。他の措
置はペソ建て当座預金または定期預金の10%が凍結から解除され引き出し可能
となる。ドルに対する需要は極めて高く、市民はペソ預金を限度まで引き出
し、ドルを購入しようと狂奔しており、ドル2.20ペソまで上昇、中銀が介入し
締めは2.10ペソとなった。
アルゼンチンにインフレ戻り30%の予想
3ヵ年のデフレの後、インフレがアルゼンチンに戻って来た。経済研究の5
機間の本年度インフレ予想は30%であるが、ドゥアルデ政権がその赤字財政を
制御できず、穴埋めを発券に頼った場合はハイパーインフレが再来する可能性
もある。政府の公式予想、本年度予算案では年間インフレ8%である。だが、
民間でこれを信ずる者はほとんどなく、ドル2.50ペソが市場一般の通り相場で
ある。このドル高騰が製品中に含まれる輸入資材・部品へ反映しない筈はな
い。
メルカード基金のリデルマン氏は「政府は県政府への交付金を減額し経費
削減27億ペソ削減を唱えている。しかし、債務支払のための通貨増発に頼らざ
るを得ず、アルゼンチンにはインフレを年10%から12%以内に抑える能力はな
い。アルゼンチンは通貨価値修正を禁止しており、通貨価値に対する防御対策
はドル以外になく、凍結預金の解禁、好況赤字の補填にペソが増発されるなら
ば、通貨価値下落は加速され、国民は如何に高値でもドルを買い込み、インフ
レは昂進、このようになればドル化以外の手段は失われる」と語った。
銀行救済融資法を上院可決
アルゼンチン上院は18日、アルゼンチン中銀組織法を可決した。この法には
顧客の政務支払不能および為替切り下げによる損害に対する救済措置が含まれ
ている。法案はすべての預金を中銀が保証、財務状態危機の銀行に対し資金を
提供、その代償に中銀が株主となる。銀行倒産の場合は中銀が裁判外清算を宣
言、不良資産清算の責任を負う。なお、マカロネ中銀総裁が17日に辞職した。
氏はデラルア政権当時に任命され、厳格な凍結論者、政権交替によって与党の
正義党から攻撃されており、後任にはブレジェル副総裁、以前に通貨基金に勤
務した経験がある。
ロヨラ前ブラジル中銀総裁は「アルゼンチン中銀法の銀行救済手続きはブラ
ジルの銀行救済プログラムProerと相似であるが、原因は全く異なる。ブラジ
ルの場合、銀行は資産劣悪化にインフレ終焉によるインフレ利得消滅が加わ
り、銀行経営の危機を招いたが、アルゼンチンの場合はドル建て債務支払方法
のない皺寄せから生じており、政府自体に責任がある」と述べた。
ドル預金をペソ化へ
アルゼンチン政府は1月20日「経済のすべてをペソ化し、現在以上の預金凍
結緩和措置は今後3ヶ月間、実施しない」と宣言した。ただし、ドル預金の公
式固定相場1.40ペソによるペソ換算はインフレ指数に基づく通貨価値修正を付
ける。ドゥアルデ大統領は19日、銀行預金を預け入れた通貨で払い戻すという
約束の実行不可能を認め「ドルがないので、約束を守ることができないが、国
民の懐は考慮した」と語り、レニコフ経済相は「購買力は維持される」と述べ
た。
通貨基金が返済猶予承認、新規分は最低1ヶ月後
アルゼンチン政府の要請を受け入れて、国際通貨基金IMFは1月16日に返済
期限の到達する債務9.34億ドルの期限延長1ヵ年を承認した。ドゥアルデ大統
領は同日、銀行は預金された通貨で定期預金を引出せるとの前言を翻し、18日
からドル建て定期預金は公式ドル(1.40ペソ)にて換算、ペソにて引出せると
変更した。
国際通貨基金のアナ・クルガー副総務は1月18日「アルゼンチンに対する融
資条件として、論理が通り持続性のある経済プランの提出、および通貨基金へ
の融資申請以前に債権者との同意が必要である。基金としては総額220億ドル
の残余90億ドルを予定している。しかし、申請書が提出されて一ヶ月以内に融
資実行となるのは困難であり、未だドゥアルデ政府から公式の融資申込みは受
け取っていない」とアルゼンチン政府の楽観的発言に水を差し「アルゼンチン
へはプランの詳細説明を聞くために来週訪問の予定、昨年100億ドルを超過し
た公共支出赤字の削減が新合意に関する最重要点であり、新プランは財政、通
貨、為替の3面において長期的であるばかりでなく、論理が通り、持続的でな
ければならない」と語った。
複数為替は臨時処置のみ、危機に基金も責任あり
クルガー女史は前スタンフォード大学教授、ブッシュ大統領から招聘され、
通貨基金の副総務に就任、基金の資金援助プログラムに対し批判的な意見の持
ち主であり「国家も民間企業と同様、破産もあるべきである」と考えている。
「今回のアルゼンチン危機に関して他の中南米諸国への感染は少なく、兆候を
見ていない。また、ペソの価値下落は今までの処、過激とは云えず、為替変動
の動きを軽減する程度。大量の中銀介入は問題。原則として複数為替制度には
反対であるが、アルゼンチン政府は一時的の処置と発言しているので認める
が、5ヶ月以上継続すべきではない」と語った。
国際通貨基金IMFのケーラー総務は1月23日「アルゼンチン危機は通貨基金
と国際金融機間、およびヨーロッパ連合の農業補助金制度にも責任があった。
世界経済の減速とドル高があったにもかかわらず、基金はアルゼンチン経済の
導きを誤り、ヨーロッパは時代錯誤的な農業保護を継続している」とフランス
のルモンド紙との記者会見で基金の誤りを部分的に認めた。
通貨基金、アルゼンチン政府の予算案を拒否
アルゼンチン政府が国会へ上程した本年度予算案は名目価値にて15%の削減
にて総額387億ペソ、歳入中には30億ドルの通貨発行が含まれ、各省予算は
35%減で、これにより捻出された資金は社会福祉へ回す、増税は行わないとい
うものであるが、政府支出削減はカバージョ前経済相の提示した30億ドルより
も遥かに減少し、27億ペソの赤字予算、ただし、昨年度の赤字110億ペソに比
較すれば、大幅の赤字減少である。
この予算案を国際通貨基金IMFへ提出したが、基金側はこれを拒否、基金
ミッションの担当者は「財政状況は我々の信じているよりも遥かに厳しい」と
語った。提出された予算案によれば、本年度のアルゼンチン経済は7月から成
長に転じ、年間平均では2%から4%の低落であるが、基金が民間コンサルタ
ントに依頼した予測によれば、経済低落は10%から12%にて大きな差がある。
基金側は「アルゼンチン政府はすべての蛇口を締める必要がある。カバージ
ョ元経済相が主張し、県知事からの反発を招いた税金徴収に基づく交付金13.6
億ドルの13%以外に、ドゥアルデ大統領派25%の削減が必要」と主張.ケーレ
ル総務理事はルモンド紙との記者会見において「先週は9億ドルの債務償却を
一年間猶予した。昨年度の資本流出は250億ドル。アルゼンチンが98年上半期
の水準に達するのは2年間で21%の成長が必要である。アルゼンチンが成長の
道を発見し、回復に転じるまで苦しまねばならない」と語った。
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■米国麻薬対策費の内戦への流用を要請
コロンビアのパストラーナ大統領はブッシュ米国大統領へ麻薬対策として米
国から受け取った軍事援助の一部分をゲリラ対策に転用する許可を要請した。
米国からの13億ドルの援助は麻薬対策のために拠出された資金、少なくとも現
在まではゲリラ相手には使用されていない。ただし、以前から、ブラジルおよ
びベネズエラは「ゲリラと麻薬は相互依存の部分はあるにしても別個のもの、
アメリカ軍事力の南米進出は好ましからず」と考えていたのに対し、米国の見
方はゲリラと麻薬業者は一心同体と同一視していた点があった。
アメリカ、9月11日以後の強硬な態度
昨年の9月11日以来、米国の態度は強硬の度を加え、11月にパターソン米国
駐コロンビア大使、その後、コリン・パウエル米国国防長官は「革命軍と解放
軍はテロ集団、撃滅しなければならない」と発言していた。コロンビア政府の
要請を報じたワシントンポストは「ブッシュ政権はこの機会を利用して、プラ
ンの目標を転換し、麻薬組織と区別の付き難い左翼ゲリラ、ソ連系の革命軍
Farc、チェ・ゲバラ系の解放軍をテロ集団の名目で攻撃するのではないか」と
記載した。
休戦合意成立、他方では戦闘継続中
他方、革命軍と政府の代表は1月16日、革命軍が支配しているロスポソスに
て始めて会合、休戦協定の基礎固めを話し合い、革命軍とコロンビア政府との
休戦交渉は1月20日、合意に達し、革命軍の非武装地帯維持を認める4月7日
までの休戦協定に調印した。ただし、地雷撤去、誘拐停止に関しては言及して
いない。ゲリラ側のトリンダド代表は「コロンビア内戦の政治的解決の模索は
我々にとって好都合となると期待する。現体制では我々が政治に参加する条件
にないが、もし、政治体制が民主主義へ変われば、我々に選挙の可能性をもた
らせる」と語った。
一方で休戦交渉が進められているが、他方では戦闘が継続中、カリ市近郊
では20日、両軍が衝突、革命軍14人、政府軍15人の死者、また、革命軍が送電
線轍塔8本と橋梁を破壊した。パストラーナ大統領はこの破壊活動を根拠に更
にアメリカに対して軍事援助増額を要請、他方、右翼ゲリラの自衛団AUCは休
戦協定に抵抗、更に暴力行為を激化すると宣言。なお、前回の和平交渉では自
衛団が休戦中の革命軍を攻撃、3,000人の死者を出し、休戦協定が紙屑となっ
た。
アメリカ、テロ対策に集中、麻薬取締り弱体化
米国の沿岸警備隊は昨年のWTCテロ事件以来、テロ取締りが忙しくなり他の
面が手薄、絶好の機会とばかり、麻薬密輸業者の跳梁が活発になった形跡があ
る。米国情報局の情報によれば、コロンビア以北の太平洋東岸、メキシコから
アメリカ南部での麻薬密輸は阻止されていたのが、最近では網の目が潜り易く
なった模様。その証拠に沿岸警備隊の押収する麻薬量が昨年の66%減となっ
た。
昨年のクリスマス、メキシコのアカプルコ南地方960キロ地点で麻薬9ト
ン、時価2億ドルを押収した。これは史上第4位の大量押収であるが、逮捕さ
れた業者の話では「運悪く捕まったが、以前に比べると密輸ルートは自由に出
入りできる状態」という。沿岸警備隊に届いたのは「テロ対策は最優先対象、
早急に編成替えを実行すべし」との命令。麻薬常習ルートの監視を放棄した訳
ではない。しかし、同額の予算でテロ対策へ主眼を移せば、他が弱体化するの
が避けられないのは当然である。警備隊側は「我々は週72時間勤務、現在は
15%から20%増の勤務を続けているが、限度がある」との説明。また、税関の
報道官は「弱体化したのは警備隊ばかりでなく、連邦捜査局FBIも同様、テロ
対策に集中し、麻薬押収の方が疎かになっている」と語った。
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