7.衣装に関する私的考察

吹奏楽コンクールは服装の規定はありません。

ですから、全員バラバラの服装でもかまわないのです。(小学校ではそういう学校もありますね。)しかし、一般的には何らかの共通点をもった服装でステージに上がります。それは、コンクールが「晴の日」(非日常)であり、その舞台に立つために衣装を用いるという意識の現れです。

中学校や高校では、学校の制服を用いる場合が多いですね。制服を用いる一番のメリットは全員同じものを持っている(新しいものを買う必要がない)ので 金銭的な負担を家庭に強いることなく、全員を同じ衣装にすることができることです。

しかし、学生にとっての制服とは「晴の日」(非日常)に用いるものでなく「褻の日」(日常)に用いられるものです。 普段と変わらない格好では、衣装としてはふさわしくないという考え方もできます。そういう考え方のもとで、学校の制服ではない衣装をそろえている学校もいくつかありますね。

私自身がコンクールを見るようになったのは、’80年代からなのでそれ以前のことはわかりませんが、そのころにはもう市立川口高校が真っ赤なブレザーに白いズボンという衣装でした。 そして埼玉栄高校は白いブレザーに、男はズボン女はスカートのままで黒か紺だったと思います。

学校の制服がほとんどの中で、その鮮やかな色彩は演奏の強烈なインパクトと共に頭に響いてきました。 当時全国大会に出ているのは市立川口と埼玉栄だけだったので、あらゆる意味で別格だという印象を周囲に感じさせる効果もあったと思います。その後、どんどんブレザーを用いる学校が増えていきました。特に高校1部において。

まずは伊奈学園が白いブレザーになりました。これは多分栄をまねたのだろうと思います。( 今の若い人たちは知らないと思いますが、 伊奈学園の黎明期は栄や大宮高校などの模倣から始まっています。 まあ誰でも最初は模倣から入るものです。それから独自のものをつくっていくわけですね。 現在は伊奈と栄は全く違う音がしますし、それぞれ独自の音があると思います。)話が脱線しました。

栄の影響もあってか、白ブレはとても多かったですね。与野、淑徳与野、越谷総合技術、浦和市立もそうだったような気がします。(このあたり不確かです。) 赤ブレは秋草が使ってましたよね、昔。あと、私の記憶では春日部共栄が赤だったことがあると思うのですが(’80年代後半頃)ちょっとわかりません。 あと、狭山ヶ丘が今の紫になる前(全国大会に未出場の頃)に違う色のブレザー使ってたことがあるような気がしてるのですが、勘違いかもしれません。 とにかく80年代はブレザーがとても流行ったような気がします。市立川口が赤、市立習志野が青のブレザーだったことも影響してるでしょう。

そして80年代後半から90年代前半にかけては、県代表(4校の頃)が全部ブレザーを使っていた学校だったので、 「ブレザー着てないと関東いけない」なんて噂がまことしやかに流れたこともありました。(制服で出ていた県落ちの学校限定ですが)

さて今現在はどんな感じか、ちょっとまとめてみましょう。本当は簡単な絵でも書くとわかりやすいんですが、絵心ゼロなんで文字だけで書きます。

この三つが代表的ですかね。ちなみにブレザーの色は白、赤、青、紫(狭山ヶ丘と秋草は微妙に色が違う)、えんじが今あります。

昔の栄は女子はスカートだったと思うのですが、いつの間にかズボンになってました。 今は衣装使ってるところはみんな女の子もズボンをはいてます。これもジェンダーフリーってやつですかね。

まあでもとにかく現在は衣装を使ってるところがすごい増えました。昔の川越高とかみたいに全員学ランでステージ真っ黒というのは もうなくなるんですかね。しかし、学校活動の一環ですから、学校の制服着てるんだけど演奏も一流の団体が出てきてくれることを年寄りは願います。

東北地方には今でもそういう学校ありますしね。