自分に対する要求水準が高く、必要以上に頑張ってしまう傾向がある。 物事に対して知的に、冷静に関わろうとする態度が一貫して認められる。 このような態度が適応的に発揮される場面がある一方で、 物事を知性的に捉えて抽象化することにエネルギーが注がれて、 実感する情緒が抑えられてしまう傾向もうかがわれる。 周囲の刺激に対しては非常に敏感である。 ある限られた範囲内ではそれらの刺激に対して適応的に対処する事が出来たり、 自分の心の動きを観察する事が出来ている。 その一方で刺激が強かったり複雑な場面で情緒的に大きな動揺が生じると、 それまでの冷静な対処が出来なくなってしまい、主観的なものの見方に陥ってしまいやすい。 しかも、その様なストレスフルな状況でも、外界との関わりを持ち続けようと頑張ってしまうため、 周囲とのズレが更に大きくなってしまう事もある。 このような状況では、心の動揺が言語化できなくなる代わりにそれが身体感覚として経験されたり、 周囲に対する不信感などネガティブな感情が高まりやすいことも示唆される。 これまで男性的でしっかりした自己像を周囲から期待され、その期待に応えようと頑張ってきた事が推察され、 そのために素直に甘える事や女性性に対する抵抗感が強いと考えられる。 以上、内的には繊細であるため、周囲の刺激に対処する際、相当内的なエネルギーが費やされる。 そして時には、情緒的に強いダメージを受けるが、それを否認してやや無理な頑張りを押し通してしまう。 そのことによって生じる心のバランスの崩れが現在の症状と何らかの関係があるのではないかと推察される。 2001・7・2施行 |