スチュワーデスはよくご存知で・・・

ラッキー!と一瞬心の中で思った。中国南方航空、広州発アモイ行きの飛行機に乗り込んだ私は、10列目の広い席に思わす喜んだのである。そう、10列と11列は非常口すなわち緊急避難口の為に、席の前が他の席に比べて広いのである。たとえ1時間少しでも広い席に座るほうが楽に決まっている。機内アナウンスが出発を告げたあと、後ろのほうから一人の中国人の男性が11列のA席に移ってきた。年の頃なら30歳過ぎであろうか。機内は満席には程遠く、かなり閑散としていた。航空の協定では、非常口席に座る人は緊急脱出時には、乗務員とともにお手伝いをすることになっている。当のおにいさんはそんなこととは知らず、窓の外を楽しげに眺めている。ほどなく空中小姐(スチュワーデス)が彼に近づいてきた。普通はここで、緊急脱出時の説明をすることになるはずが、彼女が発した言葉に一瞬ギョッとした。 よくきいてみると、その緊急脱出の扉は取れるので触らないように・・・・と彼に注意しているではないか!!どうも過去に取ったヤツがいるのでそういう注意になるのかと思うと、中国はすごい!とあらためて思うのである。飛んでいる間
に非常扉がとれると、いったいどうなるのやら・・・・?!
(10列と11列が広いのはエアバスA320型で、機種によって非常口の場所は違います)

座席の前に書かれている
その絵は、緊急扉が取れて
いる様子が描かれている。

この話にはまだつづきがある。広州を出発したその便は、やがて水平飛行へ移る。シートベルトサインが消えると、座席を倒してもよいのである。さて・・・あれ?シートが倒れないというより、レバーがないのである。しばらくキョロチャン状態でうろたえていたが、よく考えてみれば、倒れると狭くなって、緊急の時脱出に邪魔なので、もともと倒れない構造になっていたと判明。うーん、なかなかうまい話はないものである。座席が広いが倒れないのかァ・・どっちが特かよく考えてみよう。(欽ちゃんみたいに・・)ちなみに取れる非常ドアは重さ15kg(33lbs)です。