邦題「レザボア・ドッグス」

原題「Reservoir Dogs」


評者   

評価  

ひとこと

ほーく

こいつが任侠ってやつかい? 

<コメント>

 テンポ・音楽・構図・キャスティング、すべてが最高だ。
 お気に入りの監督のひとり、クエンティン・タランティーノ。彼の作品のなかでわたしはこれが一番のお気に入りだ。ちなみに、オールタイム・マイ・ベスト5にはずっとこの作品が鎮座している。世には、「パルプ・フィクション」のほうが名高いが、この作品のほうがずっと粋であると思っている。なんと言っても、漢(おとこ)臭い。渋い連中がごろごろしているだけでほくほくしてしまう。ティム・ロス、ハーベイ・カイテル、スティーブ・ブシェミ、クエンティン・タランティーノ本人、マイケルマドセン・・・。そこに、かかるあの数々のナンバー。もちろん、サントラはお薦めである。今でも、しれっとショップとかでかかっていることがあるほどだ。

 オープニングのだぼら話。このなかにもすでに、ギーグな会話がたっぷり。このシーンだけでもちゃんと各キャラクターの特徴が演出されており、それはすんなりと観客に吸い込まれている。そして、物語は一気に走り出し、最後まで立ち止まらない。そのテンポは驚くほど緩むことなく、加速し続ける。しかも、破滅に向かって。観客たちは少ない情報からあらゆる可能性を想像しようとし、そのスピードに取り残されまいと必死に画面に食らいつく。気がつきゃ、もうクライマックス。そして、張りつめた空気。もはや、観客は見守ることしかできない自分を見つけ、それを受け入れる。
 
必要最低限の舞台を極限までに活用するカット割。その粋は、もちろんクライマックスを迎えるあの倉庫であり、ついつい、あの倉庫だけですべての出来事が起こったかのような錯覚に陥る。しかし、意外と特徴的なシーンも少なくない。オープニングのレストランもそうだし、ティム・ロスのアパートもそう、ボスの屋敷も。冗長な台詞回しが特徴的なタランティーノだが、シーン自体には無駄が少ない。長回しは、あくまでも緊張感を極限まで高めるのに必要充分な長さだけ。残虐さをあざ笑うかのようなポップな音楽。テーマは、一本、信頼(=仁義)である。こんな映画がわたしは大好きだ。


出演 ハーヴェイ・カイテル@Mr.ホワイト、ティム・ロス@Mr.オレンジ、マイケル・マドセン@Mr.ブロンド、スティーブ・ブシェミ@Mr.ピンク、エディ・バンカー@Mr.ブルー、クエンティン・タランティーノ@Mr.ブラウン、クリス・ペン@ナイスガイ・エディ、ローレンス・ティアニー@ジョー・カボット
監督 クエンティン・タランティーノ
脚本 クエンティン・タランティーノ
衣装  
美術監督  
撮影監督 アンドレイ・セクラ
音楽 ハリー・ニルソン
編集  
OST / DVD 購入済。お薦め度5 / 購入済
1992年作品 100分
   

作品リストへ