邦題「愛のコリーダ2000」
原題「L’empire Des Sens(官能の帝国)」
2001/3/13@シネマ・クレール 〜3/30まで10:30/20:45の2回
評者 |
評価 |
ひとこと |
ほーく |
3 |
サダこえーよー。 |
<コメント> |
人間の狂気、それを描くのを得意とするひとは確かにいる。そのひとりが大島渚だ。そして、彼は狂気と官能との組み合わせが更に得意だ。「戦場のメリークリスマス」と「御法度」、そして今作品、それだけしか観ていないので、的外れな作品もあるだろう。ただ、この3作品にはあきらかに上記の共通点が観てとられる。 問題は、これが芸術的かどうかという論議をしなければならないか否かということだろう。わたし個人の意見では、それはたいした問題ではない。大島渚は、狂気と官能の相性の良さにとりつかれたのは確かだから。表現方法についても当時、いろいろ物議をかもしたらしい。それを可能な限り、原版に近い形でしかもあまりセンセーショナルではなく鑑賞できたのは、今ならではだろう。これは実にありがたい。 作品の中身としては、定の妄執を受け止める吉蔵をどう捉えるかで解釈が分かれる。ひとつは、潔いという観方。最後まで定の執着に応えつづけたのは、それだけ定を受け止めていたからだという解釈。もうひとつは、単なる臆病者だったという観方。やばい女に掴まったのは分かっているんだが、なかなかノーと言えない。口では優しく「いいよ」と応えるが、内心「ひえー、しゃれにならねー。でもここまで好いてくれるのはこいつだけだしー。」という解釈。わたしは後者だけどね。 |
主演 | 藤竜也@吉蔵、松田英子@定 |
共演 | 中島葵、殿山泰司 |
監督 | 大島渚 |
脚本 | 大島渚 |
衣装 | 加藤昌広 |
美術 | 戸田重昌 |
撮影 | 伊東英男 |
音楽 | 三木稔 |
編集 | 浦岡敬一 |
OST | 未購入。 |
1976年作品 | 1時間49分 |