邦題「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」
原題「Star Wars Episode2/Attack of the clones」
2002/7/14@MOVIX倉敷
評者 |
評価 |
ひとこと |
ほーく |
2.7 |
所詮、映像のみ。 |
<コメント> |
正直、わたしは「スター・ウォーズ」に愛はない。ジョージ・ルーカス率いるILMが映画産業の表現向上に多大な貢献を果たしていることは評価すべきだとは思ってる。しかし、監督として、また脚本家として、演出家としての力量に関してはかなり否定的な評価を以前より持っている。 独自の感覚を維持するために、他の作り手たち及び時代性の干渉を排除するという方法論は、いわゆる巨匠や新進気鋭の作り手が用いているところではある。しかし、ルーカスは、マス・エンターテイメント市場をターゲットにしている作り手である。「エピソード1」で既に露呈しているところであるが、ルーカスの感性は、30年前で止まっている。30年前の(独自ではなく、世間におもねっている)世界観、演出方法ではもはや通用しないこと、歴然である。ルーカスが思っている以上に、この分野は文化として成熟、多様化しているのである。まあ、「エピソード1」から引きずる欠点はここまでに止めておく。 さて、では何故、評価「2.7」なのか?従前の例で言えば、マーケティング操作により観客動員を誘導し、しかも内容的に評価が低い場合、「1」になるのだが。それは、「エピソード1」の興行成績がそれほど(わたしの予想ほど)高くなかったからである。ルーカスの商魂により、関連グッズで利益を得ているものの作品単体の「過熱度」は、所詮お祭り感覚でしかなかったのである。つまり、悪くても「2」どまりなのである。残りの「0.7」は、前作「エピソード1」からのスタッフの成長分を評価した結果である。 ここでやっと、今作品の評価できるところへとたどり着いた。 オビワンを演じるユアン・マクレガーは、やっと自分の役どころを確立したようであり、すでにして、「気苦労の絶えぬ」雰囲気を表現している。ヘイデン@アナキンは、生意気で無鉄砲な弟子をフツーに演じている。やっと、存在感を与えられた、サミュエル・L・ジャクソンは、前作のような無気力な演技はしていない。 CG映像と演出、編集については多少の連携関係が芽生えている。つまり、無意味なCG自慢のシーンの比率が減っているということである。もっとも、それは及第点ぎりぎりであり、とても賞賛には及ばない。ただ、客観的事実として、7歳と3歳のキッズが派手なシーンではスクリーンに集中していたことは報告すべきことであろう。 ま、何はともあれ、ルーカスは作り手としては過去のひとであるので、さっさと隠居してスポンサーとしてのみ存在してほしいものである。もちろん、口出しなぞはしてはいけない。 参考: |
主演 | ヘイデン・クリステンセン@アナキン、ナタリー・ポートマン@アミダラ |
共演 | ユアン・マクレガー@オビ=ワン・ケノービ、サミュエル・L・ジャクソン、メイス・ウィンドゥ、フランク・オズ@ヨーダ、@ケニー・ベイツ@R2D2、アンソニー・ダニエルズ@C-3PO、アーメッド・ベスト@ジャージャー・ビンクス、イアン・マクディアミッド@ハルパティーン元老院最高議長、テムエラ・モリソン@ジャンゴ・フェット、ダニエル・ローガン@ボバ・フェット、クリストファー・リー@ドゥーク伯爵、ベルニアラ・アウグスト@シミ(アナキンの母)、ジョエル・エドガートン@オーウェン・ラーズ、ボニー・ピエッセ@ベルー・ラーズロナルド・ファルク@デクスター・ジェットスター(オビ=ワンの知り合いの料理人) |
監督 | ジョージ・ルーカス |
脚本 | ジョージ・ルーカス、ジョナサン・ヘイルズ |
衣装デザイナー | トリシャ・ビガー |
プロダクション・デザイナー | ギャビン・ポケット |
撮影監督 | ディヴィッド・タッターソル,B.S.D |
視覚効果スーパーバイザー | ジョン・ノール、パブル・ヘルマン、ベン・スノー、デニス・ミューレンASC |
アニメーション監督 | ロブ・コールマン |
コンセプト・デザイン・スーパーバイザー | ダグ・チャン、エリク・ティーメンズ、ライナ・チャーチ |
スタント・コーディネーター/ソード・マスター | ニック・ジラード |
プロダクション・スーパーバイザー | ステファン・ジョーンズ |
クリーチャー・スーパーバイザー | ジェイソン・ベアード |
音楽 | ジョン・ウィリアムズ |
編集、サウンド・デザイナー | ベン・バート |
OST | 未購入。 |
2002年作品 | 2時間22分 |
参考URL | http://www.foxjapan.com/movies/episode2/ http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020522207.html http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020521203.html |