邦題「アルマゲドン」

原題「Armageddon」


評者   

評価  

ひとこと

ほーく

 これほど、観客をバカにした映画があっただろうか?

<コメント>

 この作品は、まさにサイテーである。つまり、派手な宣伝にもかかわらず、思ったほど見応えのある映像がない、噴飯物の脚本&設定、それなりの興行的成功を収めた、と見事にその条件を兼ね備えているのである。わたしは、この作品を見終わった後(一応、エンドロールが終わるまで着席していた)、即座に携帯電話を取り出し、友人に罵詈雑言モードで2時間以上報告をしたのである。ここまで怒り心頭になった作品も久しぶりである。
 具体的にいこう。
 思ったほど見応えのある映像がないとは。
 予告編であれだけ派手に流れていた、隕石衝突によるパリ、香港等の消滅シーン。スペースシャトルを蜂の巣にしたメテオシャワー。アメリカ本土への直接被害。これは、直前にはTVでさえ観ることのできた映像である。にもかかわらず、これを超える映像が作品中にないのである。目玉映像のすべてを予告編でしかも無料で見せてどうする?さらに、そのシーン自体、派手な映像としての役割だけで次の場面へのつながりがない。ある意味、なくてもいいカットである。あの自転車に犬を乗せて走ってた兄ちゃんとか・・・。
 そして、噴飯物の脚本及び設定である。
 これは、「インディペンデンス・デイ」と通じる世界観があるので、こちらをご覧いただいきたい。そして、何より腹が立ったのは、例の「赤を切るかor青を切るか」である。今時、あんな演出をするバカがどこにいる?しかもあの秒数で止めてどうする?あんなシーンでどきどきする奴なんかいるのか?あんなエピソード、カットしてしかるべきであろう。とどめは、もちろん、親子の別れである。父親の全人類レベルでの自己犠牲にあれだけ号泣した娘よ、やっぱりかっこいい恋人が戻ってくると満面の笑顔なんかいっ!あほらしい。同じ時期の「ディープ・インパクト」を見習え!
  そして、設定である。まったく発見できなかった、隕石の大きさがテキサス州大の大きさにした理由がなんと、「○○」だったとはどういうことだ?マイケル・ベイ。それほど大きくなくても破壊力抜群というのがこれまた怖いところだろうに。
 また、隕石表面の描写がまた陳腐。さらに、あんな破片が飛び散るなか曲芸飛行か?前半あれだけあっさりスペースシャトルが紙のように破壊されたのはなんだったんだ?
 元NASAのスーパーバイザーをつけていながらこのていたらく、あきれ果てて物も言えん。
 キャスティングも無惨である。リブ・タイラーは親父とのセット販売だし、ブルース・ウィリスはやる気なし。ベン・アフレックは単なる筋肉野郎。曲者、スティーブ・ブシェミや、ビリー・ボブ・ソーントンは無駄遣いだ・・・。

 で、何より悲しいのが、これが日米で大ヒットを記録したということである・・・。

主演 ブルース・イィリス
共演              ベン・アフレック、リブ・タイラー、スティーブ・ブシェミ、ビリー・ボブ・ソーントン
監督 マイケル・ベイ
脚本  
衣装  
美術監督  
撮影監督  
音楽  
編集  
OST 未購入。
1998年作品  
  http://www.sankei.co.jp/mov/review/98/armageddon/