化身  小椋佳

■化身

何処へも行かずに 今日一日は
貴女と遊ぼう 何も考えず
ところで貴女は誰 何処の誰

少女の姿で 僕を訪ねた
貴女の小さな 掌の上で
永遠の時が今 踊る今

程好い光が 曇り硝子に
木立を揺らして 影絵遊びする
幸い他にはタダ 鳥の声

想えば気忙しく 疲れるためだけの日々
意味無く忙しく はしゃいでいただけの日々
貴女のあどけない笑顔に 色褪せる日々

誰の化身か 尋ねるより
君の瞳の 奥で昼寝の
僕を起こしに行こうか

少女の姿で 僕を訪ねた
貴女の小さな 掌の上で
永遠の時が今 踊る今

誰の化身か 尋ねるより
君の瞳の 奥で昼寝の
僕を起こしに行こうか