■僕等の四季
そうなんだ僕等には絶望を語って時を過ごすユトリなど許されていない
台風の兆しに優しさの羽毛を啄ばむ鳥に似て
春は何時も冬の瞼の下で戦きイジケテ過ぎた
だから夏の爆発にカモシカたちは挫折していく
時代を予感しないことだけが幸せへの道なら僕等にとって
春は錆び付いた季節かも知れない
そうなんだ僕等には滅亡を嘆いて涙する日溜りなど許されていない
夕暮れの残照に愛を求めて咲き初む花に似て
秋は何時も夏の騒ぎの日陰、項垂れたままに過ぎた
だから冬の到来は僕等の中で報らされていた
予感をしても眼を瞑ることが生き残る知恵なら僕等にとって
秋は待つだけの季節かも知れない
四季は見せかけの化粧かも知れない
■私の中の私達
灰色の雪の降る日に 深深と降り積もる日に
見え隠れして訪ね来た お前の名前は淋しさ
あの日から心を埋めて あの日から心を隠し
誰に逢っても同じ顔 私の名前は淋しさ
自分の舞台を灰色に染めて 俯く事を役柄にして
それでも良いと それでも良いと思っていた
若さは何にでも耐えられるものさ
明後日死ぬと言われたら 灰色の雪が溶けてきた
明後日死ぬと言われたら 灰色の雪が溶けていった
残された明日を待って いろんな顔が見えてくる
私の中の私達 私の中の私達
何もかも明日一日 それぞれ生きてみるが良い
私の中の私達 私の中の私達
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