琉球と天孫氏

天孫氏の誕生

 琉球国の始まりは、天地開闢のとき、一男一女が化生(父母なく生まれること)して、夫婦となることから始まった。
夫婦の名前各説
阿摩美久(あまみく)  
歡斯氏(くわんしし)
   (ハアンスウ)
可老年(かろうねん)多抜荼(たばつと)
   (トバト)
 しねりきゆあまみきゆ

 その夫婦は三男二女を産む。長男が天孫氏で、国王のはじめとなり、二男が諸侯(按司)のはじめとなり、三男が百姓のはじめとなる。そして長女は君々と名乗り天神となり、二女は祝々と名乗り海神となる。

夫婦の子供たち
長男天孫氏国王のはじめ
二男 諸侯のはじめ
三男 百姓のはじめ
長女君々天神
二女祝々海神

 この天孫氏の二十五代目が、尚寧王である。

琉球の珠

 琉球の祖王・天孫氏が国を開いたとき、[虫L](みずち)を切って民の害を除いた。このとき腮(あぎと)を裂いて得たのが、琉と球の二つの珠である。これは以後、国王の相伝の証となった。寧王女が追放されたのは、その二つの珠のうち一つを失ったからである。

天孫廟

 中山省眞和志、城山(くすくやま)にある廟所。第二十六代の偽王子は、ここで殺害された。


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