特別寄稿
強直性脊椎炎と漢方薬

東洋堂土方医院
土方 康世


 かなり前に、田中会長に、東洋医学の立場からASについて 書いてもらえないかと言われた時、一度は書きかけました。
 しかし、私が診療した二人のAS患者さんのうち、一人は何となく希望が 持てそうな方でしたが、もう一人は私如き者の手に負えるような方ではなかったため、 いま一つすんなり書けずに諦めてしまい、ご迷惑をおかけした経緯があります。

 しかし、「らくちん」を読み進むうちに、患者さんたちの言うに言えない苦痛や ご苦労を知るにつれ、たとえ著効はなくとも、辛い症状に対する対症的処置の選択肢の 一つとして漢方薬が役に立つことがあるかも知れないと考え、思い切って、この病気に 対する私なりの考え(治療も含め)を述べさせていいただくことにしました。

 病名は異なりますが、私は、クロ−ン病の軽症例と重症例に対して漢方薬による 治療を行なった経験があります。軽症例は肛門膿瘍と同部の痛みで、1年ほど漢方薬を 服用して完治しました。
 重症例は、初診が発症10年目であり、漢方薬によってよくなりかけ 希望退院したところ、服用を続けられず、さらに睡眠薬漬けで自宅で寝てばかり いたせいもあってか、結局は腸閉塞の手術を受けることになってしまいました。
 これらは、漢方においても、いかに早期治療が大切かを痛感させられた例です。

 私としては、このような患者さんに、少しでも早く漢方治療を併用して、健康人と 同じに、またはそれに近い生活を送っていただきたいと願っております。

 ところで、これから私が述べることは、すべて正しいという訳ではありません。 16年近く、漢方薬主体の治療に携わってきた一開業医の考え方として、参考にして いただければ幸いに思います。


第一例 男性 初診時年齢26歳

当院初診までの病歴:
 20歳頃から1年に2〜3回、仙腸関節部(骨盤後面)の痛みがあった。
 1993年5月(26歳1ヵ月)、同部の強い痛みとともに発熱があり他院に入院。 2週間の加療後、疼痛が改善した頃から、右膝と右母趾(足指)に腫れと痛みが 出現した。副腎皮質ホルモンの使用によって、ようやく膝の腫れが消失した。
 1993年11月20日(26歳7ヵ月)の当院初診時には、右膝の腫れがあり、 右母趾は触ると痛いという状態だった。

既往歴:
 4歳の時に急性腎炎。
 17〜20歳の間に自然気胸2回。
 ときおり胃痛、それに痒みを伴った皮疹(アトピ−性皮膚炎?)があった。

当院での治療経過:
 1993年11月20日より1993年12月7日まで、消炎鎮痛剤を 併用しながら処方A(後述)を1日1袋の割合で服用(原則として、漢方薬は 1日に1袋服用することになっています)。これにより右膝、右母趾の腫れと痛みが 軽快した。
 その後、1994年1月22日までは、1日0.5袋の服用を続けた。

 1月22日の時点では、右足趾の関節に腫れた感じがあったが、触って痛むほど ではなかった。しかし、皮膚症状の悪化や腹痛が時々あり、このとき以後、 4月21日まで平均0.2袋を服用していた。
 2月26日から3月16日までは胃腸の調子が悪くて漢方薬を全く中止した。

 3月の終わり頃から、再び仙腸関節部の痛みが出てきたため、主治医より インドメタシンを3日間処方されたが、痛みは消えなかった。このあと インドメタシンを中止し、煎じ薬の代わりに漢方薬の粉薬(黄連解毒湯加桂枝 茯苓丸加小柴胡湯…後述B)を服用することにより痛みは消失した。
 ただし、このような痛みが3〜5日で自然治癒するケースもあるため、 本例についても、漢方薬の効果があったと断定することはできない。

 1994年4月21日から7月14日までは1日に0.4袋服用したが、 少し痛みが出かかった時は、漢方薬を早めに、しかも多めに服用すると事なきを 得るという感じで無事経過した。
 1994年7月14日より1995年2月3日までは、1日0.4〜0.5袋を 服用することによりASに関しては無症状で経過した。

 しかし、1月中旬頃から、腹部の張る感じが強くなり、これに対し、半夏瀉心湯の 粉薬(後述C)を20日間投与したところ、症状が改善した。以来、12月末現在に 至るまで、服用量としてはあまり変わっていない。

 8月25日頃から痛みの前ぶれの感じがあったので、大事をふんで鎮痛薬 (ボルタレン)も併用し、3日間安静にしていたところ、痛みは消失した。
このとき以来、日常生活に支障をきたすほどの症状の悪化は見られていない。

A: 蒼朮5g(I)、茯苓3g(I)、姜活2g(I.止痛)、天南星2g(II)、 半夏4g(II)、香附子2g(IV)、柴胡2g(IV)、炙甘草2g(IV.諸薬の 調和)、乾姜1.5g(胃腸系を温めて働きをよくする、循環促進)、桂枝2g (IV、Vの作用を助ける)、黄2g、黄柏2g、山梔子2g(III)、牡丹皮2g、 桃仁2g(VI)

 薬草名の後の( )内は主作用を示す。
  1. 去湿:体内の非生理的な体液を除く
  2. 去痰:体内の病変した器官の組織内にたまった粘液性の物質を除く
  3. 清熱:消炎解熱
  4. 活血:血液の停滞をなくし血流をよくする
  5. 補気:気を強くする(機能を活性化する)
  6. 疎肝:肝臓を含めた肝経絡の働きをよくする

B: 黄連解毒湯(おうれいげどくとう)(III、I)、桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん)(IV)、小柴胡湯(しょうさいことう)(VI)

C: 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)の粉薬(上腹部のつかえ感、悪心、 嘔吐に対する薬)

 生薬は中医(中国で発達した東洋医学…5000年の歴史があると言われており、 人体での治検をもとにしている)の考え方で、実際に使ってみてもうなずけることが 多いようです。処方については、文献1を参考にして下さい。


 以上ですが、今後どうなるかについては、勿論わかりません。専門的で難解かも 知れませんが、他の患者さんにも利用し得る情報もあると思われますので、漢方治療を する際の考え方の一例として、あえて本例に対する作用機序を考察してみます。

 この例は、ずっとAを服用していますが、胃腸の調子が悪く、煎じ薬が 服用できない時は、代用のBを服用することにより治まるので、本人は 安心しています。
 BはA相当の有効性があり、しかも容易に入手できるので、Bがなぜ有効かを 考えてみます。発熱や腫れ、そして赤沈(血沈)やCRPなどの血液炎症反応の 亢進が見られることから、強直性脊椎炎は当然基礎に炎症があります。

 炎症には熱と浮腫(局所的に湿−中医語で体内の非生理的な体液−が存在する)を 伴います。従って、消炎つまりI・IIIの作用のある黄連解毒湯が必要と考えられます。
 また、この病気には、まれに下腿潰瘍が合併しますが、この原因には血流障害も 関与していると考えられます。つまり、鬱血(血液鬱滞、もっとひどければ凝血塊が 生じ易い病態)の状態と言えます。

 従って、治療的・予防的に、鬱血を除くIVの作用のある桂枝茯苓丸があった方が 良いと考えられます。また、ASの患者さんは、現代医薬を服用し続けなければ ならず、そうすると肝臓にかなりの負担がかかります。従って、やはり予防治療的に IVの作用のある小柴胡湯が必要になると考えられます。


 発病以来約7年経過しており、漢方薬服用前(消炎鎮痛剤などは服用)の 5年間は、1年に2〜3回の仙腸関節部痛があって、26歳から症状が激化し、 副腎皮質ホルモンを使用しても右母趾の痛みはとれなかったようです。
 しかし、漢方薬の併用を開始した後からは、一定量以上服用していれば、 たまに仙腸関節部痛が起こりかけても、そのときにBまたはAを服用すれば、 それ以上悪化することはなく、2〜3日で改善を示しました。

 服用開始後2年以上経過し、その間ASとして特に再発で苦しむこともなかった のは、漢方薬に一定の効果があったと推測されます(本人の感触)。いずれにせよ、 病歴の浅い患者さんには、漢方薬を使用してみる価値はあるのではないかと思います。
 また、この病気も、遺伝子レベルの異常が絡んでいるとすると、病態が完治する ことはむずかしいので、漢方薬またはそれ相応の効果のある方法(たとえば民間療法 など)は、つかず離れずで一生続けるつもりでいるのがよいと思います。

 最後に患者本人にあえて漢方薬の効用を推察してもらったところ、
  1. 痛みの頻発を防ぐ
  2. 進行性の症状の悪化に対するブレ−キ効果
ということでした。


第二例

当院初診までの病歴:
 中一(12歳)の春、高熱とともに右膝の痛みと、関節液貯留(関節水症)を 伴う急性膝関節炎が発症。これがASの初発だったと思われる。

 対症療法(根治的・本質的治療でなく、痛みに対して鎮痛薬や各種処置、 発熱に対して解熱剤といった治療)でしのぎながら、中学から大学まで運動部の 選手として活動し続けたが、その間、右膝から腰にかけての激しい痛みのために 歩行ができなくなったり、右肩痛でボ−ルが投げられなくなるといったことを 繰り返していた。当時の診断は『急性多発性関節リウマチ』であった。

 1954年(17歳)に左膝、その1年半後には両膝、翌年には首、そして 1958年(20歳)の初秋、高熱とともに両側の股・膝・肩関節がいっせいに 腫れ上がり、完全に寝たきりの生活となってしまった。
 1961年の春には、脊椎・両肩・両膝の強直がX線で確認されるまでに病状は 進行した。

 1962年11月にASと診断され、フェニ−ルブタゾンの服用を開始したが、 1963年、リハビリ中に、右下腿を蚊に刺され、その引っかき傷が下腿潰瘍 (皮膚・粘膜が欠損している状態)へと進展した。その後、植皮術を数回 繰り返したが、いずれもうまく行かず、1996年現在でも両側の下腿全周にわたる 潰瘍は続いている。現在も、身体各所の痛みや発熱、潰瘍部の激痛に苦しんでいる。

当院での治療経過:
 漢方薬治療が、一時的、もしくは一定期間有効であったが、最終的には、 潰瘍からの分泌物が増加したり、むくんだり、痒みが出たり、その他いろいろな反応が 出たために中止した薬が多かった。しかし、現在も有効で引き続き服用している薬も ある。

 以下に、この患者さんに有効であった、または現在も効果を示しているので 使っている漢方薬について簡単にまとめてみます。

免疫強化I:
下腿の潰瘍部に、3年間にわたり緑膿菌の感染徴候がなかった。(内容は 特許申請中につき後日報告)
炙甘草湯(しゃかんぞうとう)〔ツムラ64〕:
動悸、不整脈に有効で現在も服用中
六神丸(ろくしんがん)(上海):
動悸、不整脈にも有効で現在も服用中
紫雪丹(しせつたん):
止痛に著効だったが6ヵ月めに手がむくんだために中止
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)〔ツムラ41〕:
疲労回復、抗うつ作用、食欲増進に有効で現在も服用中
黄連解毒湯(おうれいんげどくとう)〔ツムラ15〕:
血便に有効
 現在、現代医薬とともに時に応じて地竜散(ちりゅうさん.ミミズ)、炙甘草湯、 六神丸、補中益気湯を服用している。
 以上、この二例から得た知見をもとに、ASに対する漢方薬を主体にした治療法を 以下のようにまとめてみました(私の独善的なもので、あくまでも参考程度にして 下さい。
 また特異体質の人は下記のことが当てはまらないこともありますので、そのおりには 漢方薬に詳しい医師などに相談して下さい)。

  1. 少しでも早期から消炎解熱作用のある、例えば黄連解毒湯や、血液の滞りを なくして血流をよくする桂枝茯苓丸や、肝臓の働きをよくする小柴胡湯(しょうさい ことう)などの服用を開始し、できれば一生続服する。

  2. 治療開始が遅れたり、進行が早く重症になってしまった場合には、一番ひどい症状 (例えば痛み)に対する治療から始めるが、軽くなり次第 1.に移行する。

  3. いろいろな合併症、たとえば腸出血やブドウ膜炎には黄連解毒湯、貧血傾向の あるものは帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)〔ツムラ77〕、または加味帰脾湯 (かみきひとう)〔ツムラ137〕などを使用する。

  4. 頭痛、肩こりには葛根湯(かっこんとう)〔ツムラ1〕を使用する。

  5. 動悸、息切れ、不整脈には炙甘草湯〔ツムラ64〕を使用する。

  6. 免疫力低下症状(ヘルペスなど)には免疫強化I を使用する。

  7. その他の諸症状に多くの漢方薬が奏功する。副作用が少ないので安心である。
 早く直して悪化のきっかけを与えないためにも良い。

 次に、漢方薬について、一般にに言われること、あるいは私の考え、印象を まとめてみます。
  1. 現代医薬との違いは、生薬であるために、万一2倍・3倍量を服用したとしても 現代医薬ほどの急変は起こらない

  2. 漢方薬治療は食事療法の極端な形と考えられる。従って、原則として現代医薬 (西洋医学的薬物)とは併用可と考えている(ただし、念のため30分ずらして服用) つまり、現代医薬による治療と並行して漢方薬を服用しても良い。
     もちろん、何らかの不都合な症状がでたら、どちらかを中止して、そのつど対処する (それぞれの処方医に正確に伝えるべきです。私自身の過去16年間の経験では特に 問題が出たケースはありませんでした)。
     私の感触としては、現代医薬の副作用を軽減しているような印象を持つ (たとえば抗癌剤の副作用の軽減など)。

  3. 漢方薬は症状に対して処方を考える。従って、リウマチ症状に効く薬が多いので、 リウマチと似た症状をもつASにも効く薬があると考えられる。
     ただし、この際には、漢方に詳しい西洋医学医や薬剤師と相談し、体質にあった ものを服用すること

  4. 症状の種類によって、効果が即効性のものや(動悸、不整脈、急性下痢、肝臓機能 検査のGOTやGPTの正常化)、遅効性のあるものがある(糖尿病、痛風などの 代謝性疾患や慢性疾患)。

  5. 漢方薬の副作用が出るのは、大方がその人に合っていない処方を服用している場合 である。1ヵ月以上経過しても無効な場合には、変方した方がよい。
     しかし、最初の1ヵ月くらいは蕁麻疹症状が見られたり、一過性に悪化した後に 改善することがある。
     また、特異体質の人とか、癌が潜在(見つかっていない)していたりすると、 変な反応(たとえば、むくみなど)を示すこともあるので、この場合にも、漢方に 詳しい医師に相談する方がよい。
     漢方の専門医は、ときおり週刊誌などにも掲載されるが、「漢方上手」(文献2) にも載っているので、参考にされるとよいと思う。

 以上ですが、どんな病気も治療は早ければ早い程良いと思います。
 しかし、どんなにこじれた状態でも決して諦めず、一つ一つの症状に適当な漢方薬を 投与していくと、何となくクリアして行けることが多いので、皆様も、決して 諦めずに、がんばって下さい。
 そのような皆様方の姿を見て、我々はまた教えられるのですから。

 最後に、このように偉そうなことを述べている私とは、どの程度の医者だろうか、 果して信じられるのだろうか、と思われる方もおられると思いますので、ご参考までに 私の略歴を簡単に述べさせていただきます。

 私は、初めは医者になるつもりは全くなく、阪大工学部で微生物や生化学の研究を しておりました。
 ところが、大学院在学中、母が難病にかかり、(医者の兄弟達からも勧められて) 漢方薬の治療で一命を取り留めたことがきっかけとなって、漢方薬に興味を持つように なりました。

 その後、関西医大に通学しながら漢方薬についての勉強も続けました。
 関西医大では、肝臓を専門に研究しておりましたが、治療を受けながら亡くなって いく患者さんを見るにつけ、現代医学の限界を知らされ、1980年に思い切って 漢方専門で開業しました。
 1990年以来、中医学(中国で発達した伝統医学。これが日本に輸入されて 漢方医学となる)も学び始め、それ以後、患者さんの病状改善率がよくなりました。 しかし、まだ自分の無力さを痛感させられる毎日です。


追記

 本文の漢方薬をご紹介した中で、一部について〔ツムラ41〕とか〔ツムラ15〕 とか記しておりますが、これらは、株式会社ツムラ、またはカネボウなどから 保険認可を受けて出されていますので、かかりつけの医師に相談すれば、健康保険で 処方してもらえるものもあるはずなので付け加えました(各医療機関により、 備えているものがまちまちなので、必ず欲しいものが処方してもらえるとは 限りません)。

 また、田中会長から、実際にあった質問に対して回答を、という依頼がありました ので、次に付記させていただきます。
質問1:漢方治療の概念
回答:
 (私の個人的見解ですが)現代医学の治療が無効か、あるいは副作用で中止を 余儀なくされた場合に、数千年の臨床経験に基づいて構成された薬草の組み合わせを 選んで使用する治療法(時には、薬草のみでなく、動物性のものを使用することも ある)。

質問2:漢方薬と民間薬の違い
回答:
漢方薬…
 中国に発達した中医学、およびそれが日本に輸入されて日本流になった漢方医学 で用いる薬のこと。一般には、生薬、煎じ薬と同じ意味に用いられている。
 漢方薬は漢方(中国から日本に渡来した医術)的な診断に基づいて処方されるもので あるから、言い伝えで用いられる民間薬とは異なる。

民間薬…
 医学の専門家がその使用法を決めるのではなく、民間での言い伝えによって 使用されている薬。

*便利な参考書に「漢方のくすりの辞典」(鈴木洋 著 医歯薬出版)がある。

質問3:漢方薬における生薬と煎じ薬と粉薬の異同は?
回答:
生薬(しょうやく)…
 動・植・鉱物をそのまま、あるいは性質を変えない程度の簡単な加工を施して 薬品として用いるもの。

煎じ薬…
 生薬(普通は数種類)に適当量の水を加え、一定時間加熱して、熱抽出した後、 漉し取り、それを1日で薬用するもの。

粉薬…
 エキス剤と散剤、またはこれらを混ぜ合わせたもがある。
 エキス剤は有効成分を煎出した薬液を濃縮し、適量の賦形剤(でんぷん、乳糖など) を加えて細粒にしたもの。ツムラ、カネボウなとの粉薬はこれである。
 散剤は処方の薬物を細粉にして、よく混ぜ合わせた粉末剤のこと。

質問4:良い漢方医と悪い漢方医の見分け方
回答:
 漢方医は法律的には存在しない。なぜなら漢方医学が医学部に講座として 存在しないから。あくまでも漢方(薬、鍼灸など)を勉強している医者であり、 実は私も内科医である。
 薬局の店頭で買う場合は、普通、薬剤師と相談して買うことになる。

 医者の見分け方など一概に言えないとは思うが、私見を言わせていただく。
 その医者が生薬を扱っている場合は、本格的に漢方薬治療について勉強している ことが多い。もちろん、諸般の事情で使いたくても使えないこともあるので、要注意。 医者仲間に聞かないと分からないのが実情だと思う。

 患者さんの訴える苦痛を聞いてくれて、なんらかの方法を考えようとしてくれる 医者は名医の一つの条件だと思う。
 また、多少の個人差はあるが、少なくとも1ヵ月程度服用すれば、その処方が、 当人に合っているかどうかは分かるので、たとえば「6ヵ月分とかが1単位だ」とか、 「1ヵ月分だと高くなる」と言う医者がいたとすれば、要注意であろう。
 薬によっては、2週間単位で様子をみながら処方して行くこともしばしばである。
 漢方医については、文献2参照(一応、全員が東洋医学会員)。

〔文献〕

  1. 「中医処方解説」、神戸中医研究会編集、医歯薬出版、1982年発行
  2. 「漢方上手」、サンケイ新聞デ−タシステム、1995年発行



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