らくちん第7号

「戦 友」


日本AS友の会会長 田中 健治

 新年明けましておめでとうございます。
 年が改まって、日本AS友の会も、私たち一人ひとりのことでも、また夫々のご家族のことでも、ほんの少しでもより良き方向へと改善されていきますように心から祈念いたします。
 最近、やたら世間が騒がしくなりました。政・官・財・医、ありとあらゆる日本の中枢をなすべき分野での相次ぐ不祥事が洗い出されて、ともすれば、私たちの正常な感覚までが麻痺してしまいそうになりますが、一年また一年と年が改まって進んでいくように、20世紀から21世紀へ移り変わる時の、これがいわゆる世紀末現象といわれるものなのか、一斉に噴出したこれら諸問題は、神が与え給うた自浄作用のひとつなのかと思えぬでもありません。
 ともあれ、私たちは、こんな時こそ、日頃培った見識で、大切なものを見失わないようにしたいものであります。
 「日本人は欧米人に比べ、何故か肝臓が弱い」(小松原先生)
 「日本人は同じアジア民族でありながら、何故か中国人に比べ胃腸が弱い」(土方先生)
 上記は、友の会関西支部懇における両先生方の長年に亘る臨床データに基づく貴重なご見解でありますが、私たちはこれを謙虚に受け止めていく必要があると思います。
 友の会では、AS先進国である諸外国の各種情報を皆様に提供する際に、あくまでも日本人の体質に見合ったものだけを選んでいく方針で極力熟慮しているつもりではありますが、会員諸氏におかれましても、その点をわきまえて、参考にして頂きます様お願いいたします。
 第6回総会に出かける前日、ひとりの会友から電話が入り、「出席したかったが、ぶどう膜炎が発症して行けなくてまことに残念である。片眼が直ったと思ったら続けてもう片眼も発症してしまい、自分には絶対ぶどう膜炎は発症しないと考えていただけにショックである。ASの奥深さを思い知らされた思いで、今後、どんな協力をも惜しまないことを皆さんにぜひ伝えてほしい」とのことでした。
 私たちは、すでに、ある程度は自己管理が出来るようになって、時として、自分の中に仕上がったマニュアル以上の症状にぶつかって、どう対処していいか分からなくなる時があります。幸いにして、日本AS友の会はそういう修羅場を幾度もくぐり抜けてきた人たちで土台が支えられていますから、その様な時はいつでもお役に立てることと思います。
 近頃、井上事務局長との会話の中に「私たちは戦友だから…」という言葉がしばしば往き来するようになりました。
 なんとなく、的を射た響きを感じてしまうのは果たして私たちだけでしょうか。
 皆様のご清福を祈ります。

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