らくちん第5号

「私達で何か出来ること」


日本AS友の会会長 田中 健治

 この4月、留学中のイギリスで、現地スタッフとASの研究に取り組んでいる谷医師(滋賀医科大)の要請で、滋賀医科大学福井教授から井上事務局長を通じ、日本AS友の会へAS研究のための血清提供協力依頼が、突然舞い込みました。
 
 もとより、友の会としてもこの種の研究協力については、会是としても積極的に協力することを謳っておりますし、一も二もなく許諾させていただきましたが、谷医師が一時帰国している短い時間内で、集められるだけ集めたという慌しい話だったので、東京では順天堂大学のAS診で、一方関西ではOKをいただいた会員諸氏を、谷医師が直接あっちこっち10ccづつ採血してまわり、それらをまとめてイギリスへ持ち帰るという結果になりました。
 健康な人でも、誰もが持っている腸内細菌の一種クレブシェラとASの発症との深い関わりについて研究がすすめられており、それに必要な東洋人の血清が不足しているということでした。ただ、幾ら研究の為とはいえ、また友の会の会是で研究に貢献することを謳っているとはいえ、その都度、内容をよく検討して、あくまでも皆さんの負担にならないよう、慎重に慎重を期さねばならないことは、いうまでもありません。
 今日、日本の強直性脊椎炎に関する研究や診療は、10年前、20年前、30年前から翻って考えてみれば、大変な進歩を遂げています。
 しかし、それでもなお、未だ曖昧不的確な診断や治療に悩まされるケースは、あとを絶たず、それほどまでに難しい病気であるのならば、医師の勉強不足を嘆く一方で、一部オーソリティを除く、他の多くの医師に対して、場合によっては患者である私たちの方から、ある種シグナルの様なものを提供して相互理解促進に役立てていくのも一考かと思えます。一例をあげれば「個人カルテ」の様なもの。緊急時など、初めて出会う医師、初めて出くわした患者といった関係で、個人カルテは大いに威力を揮うことでしょう。
 「個人カルテ」携帯については、実は以前から井上事務局長とプランを練っていたことでもあり、近いうちに是非友の会として実現させたいと思っています。
 私たちは、折角、日本AS友の会という素敵な会をつくっているのですから、何もかも医師任せにせず、何か私たちの手で改善していけることが見つかれば、積極的に行動に移していこうではありませんか。難病をかかえ、障害に身体をしばられていても、気分は元気。気持ちは元気。いつも「元気印(じるし)」でありたいものですね。
 

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