「らくちん」創刊にあたって

日本AS友の会会長 田中健治

 平成3年2月25日、極めてわずかなメンバーではありましたが 「日本AS友の会」が設立されて以来、本日ここに、待望の会報第1号が 発刊出来ましたことは、私どもにとりましてこの上ない慶びでございます とともに、関係各役員はもとより、ご協力下さいました多くの方々に厚く 御礼申し上げる次第でございます。

 表題の「らくちん」については、賛否異論がおありだとは存じますが、 不肖私が命名させていただきました。関西弁なのか関東弁なのか標準語 なのか定かではありませんが、私どもが日常さりげなく使っております 言葉の中から拾い出したものです。

 「らくちん、らくちん」と重ねて使ってみたり、「らくちんやなあ」 とか「らくちんだよね」とか、漢字を当てはめてみれば“楽珍”とでも 書くのでしょうか。痛い痛いと言い暮らしながらも、歯を喰いしばって、 人並に社会生活にたずさわってゆかねばならない私達に、「らくちん」 と感じられる時間や日々が、少しでも多く、少しでも長くなればとの 願いがユーモラスな表現の中に込められています。

 友の会の活動につれて、世界の動向や日本の実情などが次第に明らか になって参りました。日本に於いて、AS(強直性脊椎炎)の研究や 対策が、RA(慢性関節リウマチ)に比べ、同じリウマチ病の範疇に ありながら、なぜこれ程までに大きく立ち遅れたのかについては、 いくつかの理由が考えられますが、中でも、最も注目したい理由の 一つに、RA主体の「リウマチ友の会」がRA対策の発展に果たした 役割の大きさが挙げられます。私たちは、この事実に「AS友の会」 として謙虚に、多くを学んでゆきたいと思います。

 最近、眼科医や耳鼻科医からも、ASの疑いとして専門医の診断を 勧められるケースが出始めております。ASは全身病なのですから、 いずれこうしたケースもあり得るとは思っておりましたが、医師による 「AS研究会」がスタートして以来、ASへの認識が非常に速い スピードで昂まっていることを感じさせてくれます。

 細々と長く苦しい道のりを経て、いまようやく、日本に強直性脊椎炎の 扉を開く新時代が到来したことを実感しています。私たちはASのご縁で 知り合い、友人になり、さらに友の会を通じて盟友となりました。 これからは互いに手をたずさえて、日本のAS対策の資質向上に 取り組んでゆかねばなりません。そのために、どしどし力を貸して下さい。 智恵を出して下さい。ご自分の貴重な体験や情報を提供して下さい。 皆んなで、ASの将来を明るくしようではありませんか。


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