〜できることから始めてみませんか〜

「難病ボランティア講座」に参加して


会長 田中 健治

 平成19年3月30日(金)、公立大学法人和歌山県立医科大学 生涯研修地域医療支援センターで開催された標記講座に出席してみ ました。
 10時〜16時まで、途中昼食休憩をはさんで、結構長い講座でした。
 事前の、地域医療支援センター事務局との会話の中で、 「強直性脊椎炎」という病名すら知らないということが判明し、 日程的にはかなり無理をして参加いたしました。


 講座の目的として、『広く県民の方が、難病についての知識を深め、 難病患者さんが地域でどのように生活しているかを知り、 患者さんと家族への理解者として、話し相手や外出のお手伝いなどの 生活支援者、応援者となることを目的としています。』とあり、 『本講座は、難病や難病患者さんを理解、支援するために必要な知識の 習得を目的としたものであり、資格取得のためのものではありません』 と付記されています。

 また、<難病とは>という項目には、次のような説明が書かれていました。
 原因が不明、治療法が未確立な病気で、後遺症を残すこともある病気です。 慢性に経過し、経済的な問題をはじめ、介護などの家族の負担や精神的な 負担が大きく、さまざまな問題を抱える方がいらっしゃいます。

さて、内容ですが
1.和歌山県の難病対策
       ・・難病・こども保険相談支援センター N所長
                                         
2.ボランティア活動とは
       ・・県ボランティア連絡協議会         K会長
                                         
3.難病の正しい知識と理解
       ・・県立医大付属病院神経内科         K医師
    
4.体験発表
    ・・パーキンソン病友の会会員

5.意見交換

 以上のようなものでしたが、項目1については、 大体全国的に同じようなもので、筋ジストロフィーとか、 筋萎縮塞索硬化症とか3〜4例だけが県でも特定疾患として あつかわれているということで、これについては、 以前から変わりなく継続されているようでした。

 項目3には、かなり期待感を抱いて注目いたしました。 がしかし、数ある難病の中から、平成19年度からは123疾患に 枠をひろげて、これまでにすでに特定疾患に指定された疾病に続いて 順次指定特定疾患にされていくという説明を図解で示されただけにとどまり、 がっかりいたしました。(平成8年118疾患)

 質問できる時間があったので、「強直性脊椎炎」について訊ねてみましたが、 なんとなんと、まったくご存知なかったことには驚きを通り越して 呆れてしまいました。パネリストとしては、勉強不足もいいところです。

 しかも、県立医大整形外科には助教授時代のU先生が、 友の会の顧問医だったこともあり、学生時代に病名くらいは聞かされて いそうなものと、情けなくなりました。

 和歌山市に住居を移してから、久しく和歌山県に難病連絡協議会 なるものが存在することを知りませんでしたが、あるとき、 自治会の回覧板で、長い間活動を休止していた難病連が、 リウマチ友の会の支部長の呼びかけで復活するというような情報を 入手してはいましたが、(申し訳ないことですが)なんとなく煩わしい 感じがして、入会していませんでした。

 最近、まったく協議会のことをきかないので、 また休止かな?とも思いますが、積極的に参加してASのことを 知ってもらわねばと、今では思っています。


 最後に、今年度3年目に入る厚生労働省から出向していている、 和歌山県障害福祉課の課長に、厚生労働省特定疾患対策室のどなたかを 紹介してくれませんかと尋ねみました。
 すると特定疾患対策課課長補佐を紹介してくれましたので、 早速電話を入れたところ、特定疾患指定に至る内部事情について 割合詳しく説明してくれました。

 それによりますと、118疾患(平成8年)から、 最近連続して増やされ、18年度は、121疾患の枠組みに。
 そして19年度からは更に2疾患ふえて123疾患となり、 その中から、まだ指定を受けていない疾患について、順次研究班を作って、 特定疾患に指定していくことになっているということでした。

 更に、うれしいことに、「私は、九州大学出身ですが、 学生のときに、強直性脊椎炎については授業で習ったので、 ある程度のことは知っています」とのこと。
 そして、123疾患の、 候補22疾患 の中に強直性脊椎炎は入っていますとのことでした。

 特定疾患になるための選考条件について尋ねたところ、 「ポイントとしては、せいぜい5万人程度かそれ以内の患者数。そして、 治療費がかさむ疾患 であることですかね」と。
 「日本AS友の会ことは少しですが知っています。大学病院で 強直性脊椎炎とそれに関連する難病だけの特別診療を日本で 唯一やっておられることも聞いています」と。


追記
 別表として、平成18年度第4回特定疾患対策懇談会の資料を一部 つけましたが(未掲載)、その中にある研究事業候補24疾患は、 友の会などの難病団体からの要望があったものと、研究会などからの 提案があった疾患について、難治性疾患克服研究事業の研究班が収集した情報を まとめたものとありますが、 このうち「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」と「色素性乾皮症(XP)」 の2疾患が19年度から「候補」をはずれ、 「研究事業疾患」へ一歩前進したため、今年度は22疾患が検討の対象となるわけです。


以上で報告は終わりにしますが、地方の実態を知るにつけ、 すでに刷り上ったフルカラーの『ウエルカム・パンフレット』 に寄せる期待も大きく膨らみます。

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