〔寄稿〕

「幸せの尺度」


群馬  O


 2度目の京都女性会…、それぞれの場所で、 それぞれに頑張ってがんばって暮らしている女性達が、 このAS女性会で思いっきり心安らいで、 思いの丈を話せている…。 希少性の難病を持つ私達には、 本当に有り難い女性会です。

 それぞれの地域ではひとりぼっちの気がしているのに、 みんなが頑張っていて「私も、負けないで頑張ろう!」と、 その気にさせてもらう。 きっと毎年、そう思うことでしょう。


 余談ですが、女性会の後もう一泊しての帰りの朝。 むなしい出来事がありました。 ホテルの入口の外で夫の車を待っていた時、 外のエレベーターから降りて来た電動車椅子の男性が、 何か部品のような物を落としてしまいました。

 「あっ!」と思ったのですが、 私は立つことはできますが、拾うことができません。 それでその電動車椅子の男性に、 「今、夫が来るので、拾って貰いますから待ってて下さい」 と言いました。 その方は「ありがとうございます」と言って、 2人で待っていました。 でもその間に通りかかる人がいたので、 大きな声で呼び止めましたが、 1人2人3人…と、止まってはくれませんでした。

 「もう夫が来ると思いますから」と、 なんだか2人で(多分)やるせなくなっていると、 4人目の人が止まってくれて、拾ってくれました。 何も出来なかった私にお礼を言って、 電動車椅子の男性は行ってしまいました。 すれ違うように夫が来ましたが、間に合いませんでした。


 わずか、数分の出来事だったと思いますが、 なんだか虚しく淋しい気持ちがしばらく心に残っていました。 私の勝手な考えですが、健康な人と、 障害を持って産まれた人の一生は(私の障害も含め)、 楽しめる事の量が随分と違うと思います。 我慢も沢山します。 困っている時は、ほんの少しでも助けてください。 電動車椅子の男性は、脳性マヒでした。


 幸せの尺度は、それぞれ違うので、私の感じた思いです。



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