S.M.(副会長)
私と夫は5月24日〜6月3日、ロンドン在住の友人をたずね、
その友人とたまたまそこへきていた客人と4人でアイルランドを
旅してきました。
とにかくいっしょにいった夫や友人が大疲れするくらいハードな
旅でしたので、私など3回くらい死んでもおかしくないあぁと思います。
有能なヘルパーが3人でしたので、ずっと「動くな! 車イスをもって
くるから」という感じで、気を使ってもらいました(3人はヘルパー
疲れかもしれません)。どんなにハードだったか、読んでやって下さい、
笑ってやって下さい。
「命かけちゃいけないよ! たかが旅に〜」と言われそうです。ハハハ
5/24 11:50
関空からロンドンヒースロー空港へ。
13時間すわりっぱなし!でも友人が作ってくれたクッションに救われた。
空港内は車イスを予約していたので、らくちん!
ヒースローに着いたとたん、人種のるつぼのような所にびっくり!
いろんな顔と民族衣装に見とれて、ついキョロキョロしてしまう。
「外人ばかりや」と言うと、「あんたも外人や」と言われて納得。
ずっとここにすわっていても、おもしろいなぁと思う。
そして、ロンドンは9時半まで日が暮れないのにびっくり!
長い昼だ!
5/25
午前中は大英博物館をかけ足で回る。と言っても私はどこでも車イスを
借ります。しかし、よくこれだけ物を持ってきたもんです。
「もったいないなぁ、あんな見方して」……でも時間が無い!
きっとまた来るぞ!! ゆっくり見るぞ!午後は、ナショナルギャラリー
をびゅんびゅん見て回る。あ〜もったいない!教科書にのっていた
レオナルド・ダビンチやラファエロがガラスの箱にも入らず、すぐ手の
届くところにあるなんて……。ヨダレものでした。
5/26
この日は、友人抜きの3人で外出……。ドキドキ。
ビクトリア・アルバート美術館もふっとばして見ました。手工芸品が
みごとでした。「う〜ん、いい仕事している」とためいき続き。
昼食は、1人前2,100円で、残念ながらまずかった。後で、友人が
「置いてある塩、こしょうで、自分で味付けするんだよ〜」と教えて
くれた。そうだったのか……。
5/27
私と夫と2人でウェストミンスター寺院へ行きました。
貸してくれた車イスはボロで進まず。古い建物で床はデコボコ、
階段多し、あまりに観光化されている教会、そろそろ疲れが出てきた
などの理由により、父ちゃん「切れる!」。
しかし、その足でめげずにテート美術館へ行きました。車イスを
頼んだところ「予約がないとだめ」と言われて、父ちゃん「怒る!」。
使ってないイスが2台ずぅーっと置いてあったのでした。すぐ帰って
きましたが、入り口付近の部屋はのぞきました。ターナーの絵ばかり
山ほど見ました。ジョン・エヴァリット・ミレイの「オフィーリア」は
しっかりとゆっくりと見られたので悔いは無し!
そして、昼からは友人宅でゴロゴロ寝ていました。疲れた〜。まだ
旅は残っているぞぉ〜。しかし、疲れた〜。
5/28
ヒースロー空港からアイルランドのダブリン空港へ。
コンピュータの故障で入り口の接続部分がとれず。1時間半以上
フライトが遅れても、さわぐ人、怒る人もなく、みんな、
なごやかぁ〜でした。
友人がつくってくれた、おにぎり、おかか、梅入り卵焼き、
ウィンナー、たくあんのつけもの入りべんとうを空腹に勝てず開けて
食べる。プーンとたち込めるにおい……。スチュワーデスさんに
「ピクニックですか〜」と言われて、おにぎりをほおばったまま
ニッコリ!うま〜い!
予定が遅れてレンタカーでひた走る。10時まで昼の明るさで
助かった〜。暗くなったところでゴールウェイ到着!セーフ
夕食はチェーン店のピザ屋しかなく、そこで夕食。ベッドに入る
なり、爆睡しました。
5/29
アイルランドの朝食は「まるで朝から晩めしだ」。シリアル、パンが
いっぱい。皿にはソーセージとベーコンとソフトサラミ2種と焼きトマト
と目玉焼き、ヨーグルト、フルーツ、紅茶、オレンジジュース。塩っけが
強いがおいしかった。
ゴールウェイの街は、おもちゃ箱のようににぎやかでかわいい!予定を
ずらして見学。雑としていて親しみがあって若者が多い。アメリカ人の
観光客多し。友人がしつこくすすめるので、命をかけて生ガキを食べる。
残念ながらゴールウェイ産のカキではなかった。でも甘くてうまかった。
あした、元気でいるだろうか。ドキドキ。
午後、フェリーに乗ってアラン島に渡る。げ〜ッ、何もない。岩ぼこ、
石コロの島に風が厳しくてぴゅうぴゅう……。きびしくて殺伐としている。
夫はなんでこんな所に来たかったんだろうか。ブツブツ……。海草や
魚貝類は豊富なのに「そんなものは飢饉の時に食うものだ」と最近まで
食べなかったそうです。ロブスターやエビやカニをかわりに食って
やったぞ!うま〜い!
レストランで順番を待っていたら、「ここに来てすわりなさい」と
イスを勧めてくれた男性がいました。てっきり店の人だと思っていたら、
ゴールウェイの人でした。親切なアイルランド人に何回も会ったので、
私はアイルランドが好きになりました。
5/30
フェリーでアイルランドへもどり、モハーの断崖を見て観光しながら
キラーニ ーへひた走る。モハーの断崖をみて「なるほどアイルランドは
岩の島だ」と実感。友人がとりつかれたように手編みのアランセーターを
買いまくる。荷物のかさがどんどん増える……。うちも洗脳されて2枚
買ってしまう。
夜、パブにでかけて、アイルランドフォークを聞く。老若男女、歌って
踊っていた!楽しそう!ビールもうまい。
5/31
リングオブケリーとキラーニー国立公園を観光する。またダブリンへ
もどる。必死!日が暮れてしまう。アイルランドは自然がほんとに美しい!
雄大な景色、しゃくやく満開の森の中。途中にコンビニが無いのが不便
だけど、いいなぁ〜。
日が暮れたダブリンは映画の「バットマン」のゴッサムシティを
思い出す。
6/1
ダブリンのトリニティカレッジで、夫があこがれた「ケルズの書」
を見る。きれいなさし絵いっぱいの聖書です。印刷のようにきれいに
描かれていてびっくり。日々、ページがめくられていくそうです。
アイルランドの最古のクライストチャーチ大聖堂を見る。
ゴチャーとした装飾は、長く居ると疲れるなぁ。やたらと偉人の墓が
あります。
疲れていたが、イジで(?)パブへ行く。アイリッシュダンスも
見れた!客も踊るにぎやかさ!ギネスビールがうまい!
6/2
午前中は、夫はアイルランド国立博物館へ。
私たち女性は、その近くのレストランで紅茶とマフィンと甘い甘い
ケーキを食べておしゃべりタイム……。疲れた。
ダブリンからヒースロー空港へもどる。帰りのフライトは、な、
なんと2時間半も遅れました。外は霧でまっ白白……。でもやっぱり
だれも怒ったり、イライラしてなかった。「おそるべしアイルランド」
今回は搭乗前だったので、サーモンサンドとビールを(友人はやっぱり
生ガキを食っていました)飲みつつ待ちました。
6/3
帰国する日 昼の3時までダラダラ寝ていました。「帰れる」と
「帰ってしまうのか」の気持ちが疲れた頭の中でグルグルして
いました。
ヒースロー空港へ。
帰りは、グーグー寝てしまって、11時間半はあっという間でした。
私も夫も疲れがとれるまで3週間ぐらいかかりました。私はちょっと
元気になって、ちょっと動いてはドッと疲れてまた寝るという繰り返しを
しながら、ゆっくり元気になりました。
思い出すと、ゾッとするほどハードで、元気になって思い出すと
ほっこりしておもしろい旅でした。アイルランドにほれたので、また
行きたいと思っています。
友人が作ってくれた「リュッククッション」が心強い旅の味方に
なりました。イスにも車イスにもそれで座りました。座るのが苦手な
方はおためし下さい。
おまけ
旅の間に、10種類くらいの車イスにすわりました。たぶん外国製だと
思いますが、かなり大きいサイズの車イスがありました。座りごごち
よかったです。
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