2006年2月18日(土)
 


△▼2/18のゼミ▼△


本 日の作品

ショートシナリオ   1
ストーリー      1
出席者: 男 7   女 3 (特別参加 1)


 早くも2月の後半。寒さはどうやら峠を越したらしい。大雪の被害のニュースも聞かなくなった。でも、このごろのお天気は素直ではない。15度の日がある かと思うと、次の日は零度近くになったりする。お天道様の気まぐれに負けないよう、気をつけましょう。
 ゼミの後半、元事務長の亭主のE氏がパリッとしたスーツ姿で現われた。新しい仕事の面接があったそうだ。こんなおしゃれな姿はみたことがないとに驚く女 性陣に「コスプレだよ」と照れくさそうにいっていた。なるほどそういうものだと納得。
 今日は、はるばる上州から参加の新人と、新婚間もないベテランの2作品である。



1.須藤作品「新学期」(ショートシナリオ)

 前回に引き続いてのショートシナリオ。課題は「坂道」。400字換算約10枚。
 主人公は高校3年生。自転車に乗ってアイドルの写真集を買いに本屋へ行った帰り、坂道を降りきったところで、美女の乗った自転車とぶつかる。袋の中身を 見られて恥ずかしさに慌てて逃げ帰る。新学期になってみると、彼女はなんと新任の教師だった…。
 なかなか達者な筆致で、短い中にドラマの要素がしっかり用意されている。長編の導入部の感じがすると、評判は上々だった。
 だが、中学生ならまだしも、高校3年生となると、幼すぎる世界である。作者自身の昔を考えてみると分かるはずだ。
 また、いろいろ伝えようと思うあまり、セリフもト書きも説明的になりすぎている。
 セリフというものは、そのとき、その状況でしかいわない言葉でなくてはならない。ト書きもまた、全部言い切るのがいいのではない。受け手の想像力をかき 立てるものであってほしい。
 「生き生きとしたセリフ」、そのために、「設定に無理がないか」を考えること。そして、「押すシーンの力のこめ方を考えること」
 以上の3点をしっかりと意識すること、といわれた時次郎師の教示を忘れないようにしてほしい。
 前回が80点なら、今回は55点だと時次郎師は厳しい評価だったが、題材はいいので、次のゼミまでにしっかり直して再提出してもらうことにした。
 それだけでは時間がもったいないので、新しいストーリーを考えることになった。
 鉄は熱いうちに打て、である。どんどん書こう。


2.千葉作品「竜王」(ストーリー)

 ホームレスの中にやたら将棋の強く一目置かれている男がいる。その名は竜王。だがこの男、実は記憶喪失である。5年ほど前からここに住みついているが、 自分が何者かは分からない。ただし、あるグラビアアイドルを見ると、なぜか頭が痛くなる。
 そんな竜王のもとに気弱なやくざがやってきて、とんでもないことを頼む。殺人の依頼である。報酬は500万。だが竜王には金の執着はない。そこで男は、 竜王の頭を悩ますアイドルに会わせてやるという。
 竜王がホームレスの仲間に入ったのは、5年前。血だらけになって倒れていたのを「先生」に助けられたからである。だが、先生も、竜王がなぜ怪我をしてい たのかは知らない。
 普通、記憶喪失者の話は、自分が何者であるのかを探る、いわば自分探しの物語である。そして最後に、本当の自分にたどり着いて大団円、となるのだが、こ の作者はそういう結末は求めていない。
 記憶喪失の男は、記憶喪失のまま新しい人生を送ってゆくのである。
 だから、せっかくアイドル(今はデリヘル嬢だが)に会っても、記憶が戻ることはないのだ。
 だが変化がないわけではない。元アイドルとセックスすると、竜王から強さが失せてしまうのだ。その代わり、女の言うとおりになって市民社会に復帰するの である。自分が何者かを知らないままに…。
 さて、これはどういうドラマなのだろうか?
 時次郎師は「アンチドラマ」だというのだが、ぼくにはどう理解したらいいのか分からない。寓話には違いないのだろうが、どういう寓話なのか。用意されて いる要素は目新しいものはない。陳腐ともいえることばかりである。だが、厄介なことに、何ともいえない魅力があるのだ。だから、とっても助言がしにくい。
 というわけで、ストーリーをいじくるよりは、ともあれ第一稿を書いて作者の想いを表現してもらおうということに、時次郎師と意見が一致した。
 ぼくとしては、この作者には、アンチドラマというひねったものではなく、本格的ドラマに取り組んでほしいのだが…。




 アフターは、今回も「天狗」に直行した。三つくらいの話題に分かれていたので、それぞれの中身はよく分からない。それぞれ、書き込んでください。







次回の定期ゼミは、2006年3月4(土)です。


東京芸術劇場5F/NO4会議室
時間は、いつものように、13:30〜17:00

教室が変わる場合があるので、入り口のボードで確認してください。


←Click  Here

上記作品のディスカッションはこちらで!!
ゼミで話し足りなかったことや後から思いついたこと
また、改めて作者に聞きたいことなどがありましたら
どんどん書き込んでください!



今までにみんなの書いたシナリオのリス トを整理してありますので、
それもご覧ください。

←Click!!(.xlsFile 8KB)
※上のアイコンをクリックすると、脚本一覧ファイルをダウンロードできます。


[ HOME ] [ BACKNUMBER ]

このページの無断転載・複製を禁じます。
Copyright(C)asimov. 2003 All rights reserved