2005年6月18日(土)
 


△▼6/18のゼミ▼△


本 日の作品

ストーリー      1

出席者: 女 2   男 3


 前回の盛り上がりの余波か、今年の一番少ない出席者となった。
 アシモフさんのことで、忠太郎の担当である。
 昨日の回覧メールを読み前回と似たようなことをやるならと、内野さんがわずか1日で、前回のアイデアだけの話をストーリーにした。大変なパワーである。 ボクは彼女の家族構成を聞いている。ストーリーのことを考えながら、味噌汁を作って変な味にならないのだろうか?焼き魚が焦げすぎることはないのだろう か?
 いつも気持ちをどこか他に漂わせながら料理を作るB型の家人に
悩ませられてるボクはハラハラするのだが、内野家では断じてそういうことがないのだ。だから皆が彼女のシナリオを応援する。(ここはぜひご主人に読ませ て)
 さて古い日本人の男の典型、作家の故池波正太郎はいつも女の「気働き」ということを言った。つまり、客に茶を出し、一方で夕食を作りながら、アイロンを かけるというように、細かい配慮と想像力と俊敏な動きが大事というのだ。これは何も女に限らないので、男もシナリオも同じと思う。
 ボクは「電話ボックス」で待ち人がいるのを分かってて長電話する女が嫌いだし、「スーパー」で計算が出来てからやおら財布を開ける女が嫌いだ。何も女ば かりじゃあ、という声もあろうが圧倒的に「女」なのです。シナリオの「気働き」はこうした鈍磨した感性の対極にあると思うのです。




1.内野作品「からすの子守唄」(ストーリー)

 時間をかけるばかりが能じゃないとばかりに、「ストーリー」はとぎすまされていた。これまで彼女の文体は、余計なことを考えたり回り道をしたりで、分か りにくさがあった。今回はそれが払拭され、ずばり、速球を投げている。真っ向微塵という奴だ。
 題材のいい意味での単純さもあろうが、ワシズカミでヒロインをつかもうとしている。
 子持ちの51歳、真知子が「ねえ、あんた作者だからって、私の気持ちを勝手に決め付けないで」と抗議しようものなら、「何いってるの、あんたは所詮作り 物、私の言うとうりにしてればいいの。いい女にしてあげるから」と余裕を持って微笑んでいる気配がある。
 この関係は難しい。主人公とお話への「気働き」なしにやると人物は作者を馬鹿にして、どこかへいってしまう。ドラマはそれで終わりだ。また作者が自分を 錯覚して舞い上がると、取り返しは不可能だ。ほれた女を手に入れるためには、我慢も、犠牲も、強引さも、はったりも、おべっかも、必要なのだ。なんかオ レ、分かったようなことをいってるなあ。
 とにかく作者は、シナリオのこの「王道」を手に入れかけていると直感した。
 「とてもいい感じの悲惨さ」という声があった。
 そうなのだ、母親が自分の息子ばかりかその恋人まで殺すという普通に言うと嫌な材料なのに、ストーリーからは陰惨な匂いや後味の悪さが感じられない。ど ころか、ある「透明感」が伝わり、真知子の悲しさ、切なさ、人が生きる哀歓をぜひ感じさせてほしいという気にさせられるのだ。
 どうやらサゼッションが難しい作品なのだ。
 これまでの経験知識で、いつものように、ずばりと(へへへ)いえないもどかしさがボクにはある。それはとりもなおさず、真知子が作者へと同様に、僕の中 にもくいこみはじめているということで、めずらしい経験だ。
 いろいろ出た意見は熱心にメモしていたからここでは省くが、今度は時間をたっぷりかけて、真知子の「魔像」を膨らませてほしい。




 アフターは2階のサテンで。忠太郎は横浜に行く用事があり、帰り道が一緒のYさんと駅に向かいふと振り向いたら、後の4人がいない。そうだよなあ、ここ しばらく、ストリップだ、怒りの人だでダイナミックに展開したから、コーヒー一杯で納まるはずがない。
 アシモフさんはジョクソウ(床ずれ)です。今のところどれくらいかかるかはちょっと。マンガの欄外の「先生にお便りを出そう」ではないが、病院暮らしは 退屈です。ガハハと笑える手紙などを、ぜひ氏の自宅に。奥さんが届けてくれるでしょう。






次回は、2005年7月2日(土)、16日(土)
8月は会場の都合で6日(ただし、夜6時から)一回のみです。


東京芸術劇場5F/NO4会議室
時間は、いつものように、13:30〜17:00

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