2004年12月4日(土)
△▼12/4のゼミ▼△
本 日のテーマ ・自由課題
・ 課題「坂」
ストーリー 1
ショートシナリオ 1
出席者: 男 5 女 4
12月になっても、いつまでも冬らしくならない。それでも、世間は忘年会シーズンである。わがゼミも、幹事の冷蔵庫さんが着々と段どっている。一方、二 人の女性新人もなかなかのパワーを発揮。裏表ともに充実した年末となったようだ。
きょうは忠太郎師が仕事なので、アシモフ一人であった。(事務長も来ない のだから!)
約一ヶ月ぶりに、新作を引っさげての登場である。「世にも不思議な物語」をイメージしたという。
1.岡安作品「神様に見込まれた男」(ストーリー)
うだつの上がらない男に突然神様が降臨して、男に予知能力を与えた。夢に見たことが正夢となって次々に実現する。おかげで男は営業成績も上がる。ところ が、突然、ものすごい夢を見るようになる。遊園地で爆発事件が起こり、ミサイルが飛んでくる。テロが起こったのだ。こんな夢が正夢になったら大変と、男は それを阻止しようと立ち上がる。ところが現場をうろうろしていたおかげで、犯人と間違われる。実は神様は神様ではなく、おそろしいエンディングが用意され ていたのだった…。
なかなか面白い発想である。神様が神様ではなく…、というのが作者の才覚である。
だが、読み物としてならいいのだが、映像ドラマとしてはこれだけだと成立しないと思う。男一人では、結局モノローグと同じである。対話がドラマの基本で あるとすれば、少なくとももう一人必要である。それは(忠太郎師はきっと賛成してくれると思うが)女でありたい。彼と彼女の関係に神が介在してきて、とん でもない事態になったときに、女の存在が大きく意味を持つようになるのではないか。(いささかな無い物ねだりかもしれないが…)。
しかし、今までのゼミにはないジャンルのものなので、もう少し深めていきたい。
前回作品をもって見学に来た女性だが、今回は正規に入会。その記念とも言うべき課題「坂」にちなんだショートシナリオである。
2.貫目作品「てらてら坂」(ショート・シナリオ)
出身地の瀬戸内海のとある漁村が舞台で、仲のよい10歳の姉弟の話だ。双子ではないが、二人はわずか11ヶ月しか離れていない。勝気な姉は、目の見えな い弟のよき庇護者でもある。役者は揃っている。だがちょっと懐かしい時代のお話のようである。作者と話し合って昭和20年代後半という設定になった。
なぜだかドキドキするという感想が男性軍からでた。たしかにどこかなまめかしさがある。それは作者独特の味であろうか。
題名の由来となる「水くらげ」が重要な役割をはたすのだが、それが日に当たると溶けていくという。みんな初耳だったので、感動した。あの寒天のような透 明の笠が溶けてしまうとは…。作者の体験だというので説得力があった。
姉弟は無理に同じ歳にしなくてもいいのではないか。むしろ普通に歳が違うほうが、姉の想いがよく出るように思う。思春期の少女の思いと姉を慕う弟の思 い、それぞれが溶けた水くらげの「てらてら」に象徴されている。
これだけの力があるのだから、次回からはショートシナリオではなく長編の物語に挑戦することをすすめる。
アフターゼミは、UさんとNさんが参加。二人とも子連れである。 初参加のKさんが驚いていたが、これがわがゼミの特徴なのである。子供がいてもシナリ オをやるという強さがわが女性陣にはある。事務長もここから参加して、男性軍を相手になにやら煙に巻いていたようだ。アフターのアフターがどうなったか は、アシモフの知るところではない。
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